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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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どうやら、両国国技館前のリングと、ミラベル宮殿前のリングでは、試合が始まったようです。
すると、既に試合が終わったはずのムスカウ公園リングで、突如、ウラヌスの新しい対戦相手が現れたようです。
コーナーポストの最上段に立っている相手。
オレンジ色の三つ編みに同じ色の瞳、赤の中国服を着た美少年。
彼は―
「なんだ、貴様は!」
「僕は王李。不動さんには悪いですが、あなただけは、僕が倒します」
☆
「と、その前に、あなたは誰ですか?」
僕は、彼を見た瞬間から気になっていた事を質問します。
「俺は銀河太陽系8神、天王星神ことウラヌスだ」
「いや…違いますよね…明らかに先ほどと、声も、顔も、体つきも、話し方も」
彼は、ジャドウさんと闘っていた人物とは別人にしか見えないほど、姿が変わっていました。
身長が2メートル以上になり、目はサファイアよりも真っ赤、さらに服がはちきれんばかりに膨張した筋肉、腰まである青い髪もさらに量が増した感じがします。
すると彼は息を大きく吸い込んで、
「俺は変身能力など持ってはいなーい!!」
「大きい声ですね。もう少しボリュームをさげてください。
…じゃあ、どう説明してくれるんですか、この変わりようは?」
「それぐらいもわからないのか、王李少年。
まあ、せっかくの機会だから、教えてやろう。
先ほどまでの姿…あれはオーバーボディだ!!」
オーバーボディ。それはレスラーなどが、正体を隠すために着こむ偽の体。
「暑くなってオーバーボディを脱いだのだ。ここは暑いからな。
どうだ、これで謎が解けたか」
「あなたはつまり、今まで自分の力をセーブしていたというわけですか?」
「実は私以外にもごく一部の連中はオーバーボディを着用し、力をセーブしている。なぜなら、そうでもしないかぎり、お前達が弱すぎて闘えなくなるからだ」
「そうですか、よくわかりました。ニュー=ウラヌスさん」
「貴様、俺の真の姿を侮辱するつもりか!」
「それが僕なんです。許してくださいね。それより、早くはじめましょうよ、僕たちの試合を」
「いいだろう、王李少年。俺が貴様をあの世に送ってやる!」