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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*144*
おやおや、これは想定外。
試合を見ていた私は驚いてしまいました。
まさかカインさんが負けてしまうとは…これで勝負は3勝3敗。
我々の仲間は、私を合わせて7人。
ラルスさん、ウラヌスさんは最弱でしたから、負けるのは想定していましたが、まさかカインさんまで負けてしまうとは…
もっとも私は彼女と非常に険悪だったため、彼女が負けてよかったですよ。
あんなゲーマーなんぞが、どうして銀河太陽系8神にいるのか、理解に苦しみました。
「ところで、あなたがこの試合で私に完敗されるお相手ですか。
スター=レスリングジムで1番冷静なカスターさん」
私の目の前にいる、紫色の軍服に黒髪が特徴の彼は、先ほどリングに上がり、無言でジッと私を睨んでいます。
「お前と話すことは何もない。私はただ、盟友であるロディを倒したお前の首を取りに来ただけだ」
「それは随分と自信満々ですね。まさか、あなたが私に勝てるとでも?」
「100%勝てる」
その答えを聞いて、私は笑ってしまいました。
聞いたところによると、彼の公式戦の試合数はゼロ。
つまり、きょうデビューするわけです。
デビュー初日で私に殺されることになるとは、なんとも哀れな方ですね。
「わかりました。いいでしょう。かかってきてください。完敗させてあげますよ」
「……」
私とカーネルさんはこうして試合を始めました。
☆
「マールスさん。あなたの相手はボクです」
赤のあまり袖の軍服に、眼鏡をかけた小柄で金髪碧眼の美少女、フロイ=バウムクーヘンは、わたくしと対峙しました。
「なるほど…ディナーさんの言っていた相手はあなただったのですね」
「あなたと闘えることになって、ボクは光栄です。それ以上言葉はいりません。試合で語り合いましょう」
「そうですね。それがいいでしょう。気が済むまで語り合いましょう」
フロイさんがリングに上がると同時に、試合開始のゴングが鳴りました。