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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*154*
井吹くんとフロイさん、カーネルさんがそれぞれの扉から帰ってきました。
お互いに肩を貸しあい、フラフラになりながら、僕たちの方へと向かってきます。
「みなさん、見事な勝利をおめでとうございます」
「まあ、俺は勝っていなんだけどな……」
井吹くんが珍しく謙虚に振る舞います。
「でも、引き分けはすごいです!あとは僕たちに任せてゆっくり休んでください」
「あの…わたくし…」
フロイさんの後から少しもじもじしながら、ついてきたマールスさんに、カイザーさんは優しく微笑み、
「今からキミは我々の仲間だ。遠慮などいらない。これからは、共に闘おう!」
「…はいっ!」
ふたりは固い握手をして、これから仲間であることを確かめ合いました。
彼女が裏切ることは、まずないでしょう。
マールスさんから、敵の情報も聞けそうですし、もしかすると、このまま僕たちが連戦連勝するかもしれません。
僕がそう思った、そのときです。
「オーッホッホッホ!」
上空で聞き覚えのある笑い声がしました。
みんながハッとして上を見ますと、空中に浮かんでいたのは、カーネルさんに倒されたはずの、クロノスでした。
「私はカーネルさんを慢心させるために、わざと敗れたのです。
倒した相手がほとんどダメージも受けずに生きていた。
これ以上の屈辱はありませんからねぇ。オーッホッホッホ!」
彼はひとしきり笑うと、再び口を開きました。
「あと少しで夕方。今日はあと1試合だけやって、残りは明日に持越しましょう。そのほうが、観客のみなさんも試合を楽しめるかと思いますしね」
彼がそう言った直後、フォルテさん、アシュランくん、マルコくん、ラグくんが次々と扉から吹き飛ばされてきました。
「それで…今日最後の1試合というのは…?」
カイザーさんが彼に睨みをきかせますと、彼は少し考えるしぐさをして、
「ラストマッチに、単なるシングルマッチをしても、盛り上がらないことは明白。ですから、今日のラストマッチは3対1の変則マッチにしましょう!もちろん、こちらは私が対戦相手、そして、この私と対戦するのは…星野天使さん、メープル=クラシックさん、ハニー=ブレッドさんの3人です!」