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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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星野とメープルとハニーだと?
俺はあのガキの対戦相手選出を聞いたときに耳を疑った。
3人とも癒し系であるが、俺たちジムの屈指の実力者だ。
なにしろ会長が直々に指導した3人だから、他の弟子たちとは格が違う!
俺たちは、自分の戦闘能力を『人力』という単位で表す。
この数値が高ければ高いほど強いと言えるが、この数値は総合力でしかなく、気力と根性という部分を抜いた値であり、この2つが強ければ逆転も不可能ではない。
ちなみに星野は4000人力、ハニーも同じく4000人力、メープルは人間の少女であるが、会長が鍛えたため、2000人力という、普通の人間を遥かに超えた力を手に入れた。
もっとも、彼女の場合は20分間という、限定的なものではあるが。
3人合わせると合計で1万人力にもなる。
さすがにいくら強くても1万人力を相手するのは無理だろうと達観していたが、あのクロノスとかいうクソガキは不敵な笑みを浮かべている。
「おや、たったのそれぐらいでしたか。もう少し高いのかと思いましたよ。ちなみに、私の人力はあなた方3人の10倍…10万力です」
じゅ、10万人力だと!
この俺でさえ6000人力だというのに、奴はそれの十数倍もの人力があるというのか…
星野たちが今まで闘ってきた敵は、500人力〜1000人力の連中ばかり。
この男は桁違いの大敵と言えるが、数値だけの人力使いは慢心がある。
そこをつけば、この試合の勝機はある。
俺はそう自分に言い聞かせて、試合を観戦することにした。
「さて、始めましょうか、あなた方の会長さんのお気に入りのみなさん」
カーン!
俺が、わずかながらこの試合の悪寒を感じたとき、試合のゴングが鳴った。