完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

マジカルスイーツショップ【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 198ページ)
関連タグ:
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~

*3*

「まったく、このごろは凶悪な事件が多い」

おじいちゃんはテレビを見ながら、呆れたようにつぶやく。

「それというのも、最近は子どもの食生活がなっていないからだ。日本人はもう少し牛乳を飲んだ方がいいと思うのじゃがな」

牛乳には精神を穏やかにして怒りを抑える効果がある。

これがおじいちゃんの口癖だ。

「さて、坊や。きょうも昔話を聞かせてあげようか」

おじいちゃんはテレビを消して、ぼくに微笑みかける。

夕食後におじいちゃんはいつも昔話をする。

おじいちゃんの年齢は92歳。

最近は長生きの人が増えてきたからそれほど珍しい年齢ではなくなってきているのかもしれない。

けれど、90歳を超えても元気ハツラツでいつでも健康で商売をしているのはおじいちゃんぐらいだと思う。

おじいちゃんは牛乳をぼくのコップに並々と注いだ後、口を開いた。

「きょうは坊やにレモンキャンデイーの誕生秘話を聞かせてあげようかな」

ぼくたちのお店の人気商品である『アルバスのレモンキャンデイー』。

このキャンデイーについている『アルバス』という名前がぼくは前々から気になっていたので、ぼくは訊ねてみることにした。

「おじいちゃん、『アルバスのレモンキャンデイー』の『アルバス』ってどういう意味なの?なんだか人の名前みたいだけれど…」

「うん、よく聞いてくれたね、坊や。その名前の由来を今から話してあげよう」

おじいちゃんは優しげな笑みを浮かべ話し始めた。


2 < 3 > 4