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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*77*
「嘘!嘘よ!」
あたしの声がお店に響く。
それは本当に突然のことだった。
いきなり、知らない男の子がお店に入ってきたと思ったら、あっという間に3人をモノに変えてしまった。
あまりに一瞬のことで、あたしたち3人は頭が真っ白になった後、しばらくして愕然となった。
そしてこれは悪い夢だと言い聞かせた。
けれど、無駄だった。
どんなに目をこすっても、頬を引っ張っても、そこにあるのは帽子と牛乳パックとゴスロリだけ。
「そんな…そんなの嘘だよ…」
「ありえねぇ。何もんだよ、さっきの奴…」
「信じられねぇよ、おっちゃん!!元に戻ってくれよ!!」
それぞれが悲痛な叫び声、声にならない声をあげた、そのとき、お店のドアがバン!と勢いよく開いて、トリニティさん、川村くん、井吹宗一郎くんがお店へ入ってきた。
「やはり、一足遅かったか!」
「お主ら、無事で何よりでござる。こっちも大変なことになっているでござるよ…」
「畜生!ジャドウの大馬鹿野郎!!なんで敵に寝返りやがったんだ!!」
井吹くんは怒りのあまりテーブルをバン!とたたく。
「みんな、何があったの…?」
するとトリニティさんが自分たちが見た光景を話してくれた。
正直信じられなかった。
あの強い星野くん、不動さん、カイザーさんまでも一蹴する敵が現れただなんて。
「会長とラグは無事なのか?変えられた形跡がなかったが…」
「わからない。だが、おそらく無事なのだろう。
諸君、あの白川恋という少年を倒せば、彼らは元に戻るはずだ。
残ったメンバーは京くんと王李くん、清水くん、そして我々だけだ。
だが、これではあまりに力不足。
そこで、きみたちにも妖怪軍団討伐の力になってもらいたい。
頼む、協力してほしい!」
深く頭を下げ、必死にお願いするトリニティさん。
でも、あたしたちの答えは彼がお願いをする前から決まっていた。
「もちろんよ!あたしの大切なクロワッサンくんをゴスロリに変えた奴なんかコテンパンにしてやるわ!」
あたしが言うとほかの2人も頷いて、
「見てろよおっちゃん。ぜってぇ元の姿に戻してやるからな」
「悪の組織を倒すなんて、まるで戦隊ヒーローものみてぇだな。ワクワクするぜ!」
そしてトリニティさんが、みんなをまとめる司令官になった。
彼なら、このチームをひとつにまとめることができる。
「諸君!これは世界を平和にする戦いであり、かたき討ちだ。
我々もこれより伝説の総戦力をかき集める!
まずは、会長の師匠であるオリジンを2人、探し出すんだ。
ふたりとも、高齢だが、まだ存命して、弟子の育成をしている。
彼らに協力を依頼しよう」
そのとき、音もなくドアが開いて、白髪に長い白髭の寝間着姿のおじいちゃんと茶色い髭にコートを着たおじさんがが入ってきた。
「その必要はないですぞ。我々はもうここにいるのですからな」
さすがは伝説のオリジンといわれるだけあって、情報収集が早い。
あたしたちに新たなる希望が生まれた。