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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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「ぐあああっ!」
「あれ?井吹さんってこんなに弱かったんですか」
マルコの笑顔が今は恐ろしく怖い。
俺たちはピザを食べ終わった後、スパーリングをすることになった。
制限時間無制限反則禁止のルールではあるが、それを差し引いても彼は強かった。
さすがはオリジンであるバードンさんの弟子のことだけはある。
投げ技でも、関節技やキックやパンチでも、彼はすべてにおいて俺を上回っていた。
以前、軽井沢と戦った時には通用したジャイアントスイングも破られ、俺は彼にいいようにおもちゃにされた。
強い。
これはあの怒雷氷の比じゃない。
ケタはずれの、まさに人間を超越した動きと言っていいだろう。
ほかのふたりもそうだった。
フォルテはそのお嬢様然とした外見にあった華麗な空中殺法を見せつけたし、アシュランはひたすら打撃がうまかった。
こいつら、とんでもねぇ化けもんだ!
けど…敵はこいつらより、もっとずっと強いっていうのかよ?
すると、エレベーターが開いてカイザーさんが現れた。
「そうだ。井吹。私の目から見ても敵のほうがずっと強いだろう。
だが、勝負はわからない。
最後にものをいうのは、最終的に勝ちたいという意思と気力なのだから。
それを養うためには、精神と肉体を同時に強化しなければならない。諸君、たった今、敵側から連絡が入り、1か月後に地球を訪問することが告げられた」
1か月…それだけしかないのかよ。
「いや、1か月。それだけあれば十分だ。
我々の手できみたちに更なる力を授けようではないか!」
こうして彼の提案により、文字通り奇想天外なプロレス強化合宿が始まった。