完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

FAIRYTAIL  終焉の少女  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 23ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ルーシィ・ハートフィリア 二次創作 微グロ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*14*


第六章『鬼灯』


起きて、ルーシィ。

なあに、お母さん。



そうやって起きた少女の目の前は。
病気で亡くなった母の遺体が置かれていた。

お母さん!

悲しいね。

だあれ?






いばらひめ。





「っ!?」

腕が、動かない。
縛られている事に気づき、そして今のは夢だと言う事に気づいた。

「茨姫……!?」
「ルーシィ、おはよう」
「っ、貴方は!!!」

ルーシィの頭が急速に回転する。
母のレイラにとても似ている金髪が、静かにゆれた。

「ここはどこ!?」
「私のお屋敷よ。さぁ、茨姫。お友達が、来たわよ…」

きぃ、と木製の扉が開く。
コツコツとハイヒールを鳴らしながら、徐々に姿が見えてきた。
顔は仮面がつけてあり、体中に大量の茨が絡みついている。

「…貴方、まさか」

ルーシィは覚えがあった。
小さい頃、母をなくした頃に一度だけ遊んだ少女。

「…ルーシィ…」
「まさか、あの子?」
「そうよ」

茨姫より先に金髪女性が言う。

「茨姫は、貴方を探してたの」
「…意味が分からないわよ!何で、仲間を巻き込むの?」
「知らないわよっ――――」

ふいに、金髪女性の声が止まる。
いや、止めさせられた。
茨姫が、金髪女性の心臓部に茨の蔦を――

「―――――――――――――!!」
「っは、がはっ……!」

目の前で信じられない光景をみたルーシィは、焦点がぶれている。

「あ、あんたの、仲間、でしょ…?」
「……利用しただけ…仲間じゃないもの」

すると、仮面が少し割れている。
目だけが見えるその状態で、髪の色も変わっていった。

「――あ」

少女の顔は、             ルーシィだった。















記憶が、とれない。
拭えない、頭が痛い。

「くそ……」

壁を勢い良く叩くが、気分は一向によくならない。
また思い出しそうだ。

「この体、どんだけ念こもってんだよ」
「仕方ねぇよ」

ケラケラとカルガが笑い、ローブの男は軽く睨んだ。


「おーおー、怖いねぇ。…『レイガ』」
「うぐ!!」

名前を呼ばれると、記憶がまたにじみ出てくる。
正直いうと、レイガの魂はもうない。
かわりに違う魂が入ってるだけだ。

「てめっ、名前を呼ぶんじゃねぇ!」
「任務の時は、平気だっただろ」
「それが今ぶり返してるんだよ…」

体が自由に動かない。
すると、とてつもなく大きい破壊音が響いた。












「ルーシィィィィィィィィ!!」

13 < 14 > 15