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*16*
「…」
ルーシィは、どうしようもない浮遊感に襲われていた。
暗闇の所々、散りばめられている光は幻想的だ。
あの時、確か茨姫の体内にとりこまれた――――
『〜〜〜〜〜〜』
どこかで、叫び声がする。
「……?」
まともに声もだせない。
だが、体だけは自由に動けるようだ。
ゆっくりと声が聞こえる方向に行くと、一つの鬼灯があった。
どうやら、光の正体は鬼灯だったようだ。
そっと、耳を近づける。
『アイツを、助けてくれ』
この声は――
「レイガ、さん?」
すると、辺りが一気に騒がしくなった。
鬼灯がルーシィの声で、起きてしまったようだ。
『お嬢さんや、そいつと話すのはおよし』
『かわいそうにねぇ』
『取り付かれた上に、死んでしまうとは』
『あわれな男よのぅ』
ケラケラと声が反響している。
それがどうも、気味が悪かった。
もう一回、レイガの声がした鬼灯に耳を寄せる。
『茨姫は、寄生型活動兵器だ』
「寄生型…?」
『他人の過去に、自分を芽生えさせ生き残るもの』
「っく、」
エルザがよけながら、コルヴスを追撃していく。
だが、かれこれずっと時間がたっていた。
彼は上手くよけて、ダメージを食らわないようにしているだけだ。
このままでは、もたない。
エルザが疲れ果てていると、キアーヴェはもう一つ鍵を取り出した。
「二体同時開門」
「こいつも使えるのか!?」
「開け、『一角獣』の扉。ユニコーン!」
ユニコーンはエルザに、突進を始める。
突然の行動に、エルザはもろに当たってしまった。
「く、はぁ……!」
「諦めな」
ケラケラと笑いながら、キアーヴェは鍵を振り回す。
すると、エルザは一角獣の角をつかみ必死で握った。
「なっ、はぁ?」
「…この角、邪魔だぁ!」
エルザはすぐに武器を換装し大剣を装備した。
それを、一角獣めがけてふりおろす。
「う、そだろ……?」
「これが、仲間の力だ!!」
最後の最後まで、力を振り絞る。
この大剣、ただの大剣ではない。
対特殊用魔法武器だ。
星霊にはとくに効くらしい。
「蓬莱刀・冬断ちの風雪!!!」
「っぅああああああああああああああ!!」
全魔力を使い果たして、その場にエルザは座り込んだ。
(後は頼むぞ…)
「静寂!」
「虫のさざめき!!」
この二人は、攻防戦だけのようだ。
二人とも体での攻撃は苦手だからだ。
(考えて…どうすれば、アイツに勝てる…?)
こちらも数時間たっているので、魔力など限界に近い。
すると、一個浮かんだ。
アイツは、腕以外から虫を出さない。
「…小さな穴に、…一か八か!弓!」
レビィは弓を出すと、かちゃりと構える。
「………発射ぁぁ!!!」
「っぐぁあ!」
見事に穴の中に入り、虫が出なくなった。
特殊な粘着性質を使っているため、取れないだろう。
「っくそ、」
「静水!!!!!!」
「っぐあああああああああああああ!!」
大量の水が、カルガに浴びせかけられた。
体がしびれる、という水だが。
「…あ、ぅ…」
私ももう駄目だなぁ…。
遠い目で、レビィは見ていた。