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FAIRYTAIL  終焉の少女  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 23ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL ルーシィ・ハートフィリア 二次創作 微グロ 
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10~ 20~

*18*




「…まずいなぁ」

攻撃をかわしながら、ミラーリは呟く。
隣でナツと交戦中のアーティに、その声は届いたらしい。

「どうした、ミラーリ」
「…レイガが暴走し始めた」

ナツは地面に着地し、ウェンディの元へ駆け寄る。

「大丈夫か?ウェンディ」
「っは、はぁ…はい!」

膝をつかないように押さえながら、ウェンディは顔を上げた。
ナツは額の汗をぬぐい、二人の会話に耳を立てる。
さきほどレイガ、という声が聞こえた。
きっとそれ関連だろう。

「は?なんで」
「グレイとかいうの…アイツがやっちゃったみたい」
「じゃぁ、もう爆破させてもいいんじゃね」
「だな」

爆破?グレイが何かしたのか。
ナツの足らない頭では、よく分からない。
だが、危険だというのは理解できた。

ミラーリから、魔力が放出される。

「…命令あり、命令あり。爆破開始」












「!」

レイガの頭に指令が伝わる。
体から起動音が鳴った。

「…どうした、いきなり止まって」
「…はは、いきなり見捨てられちまったよ」

レイガはグレイの体にしがみついた。

「なっ、放しやがれ!!」
「頼むから、大人しくしてろ」

グレイの鳩尾に蹴りを入れる。
ひゅ、と空気の抜けるような声が聞こえて気絶した。

「お前も、道連れだっつの」






『…起動した…』
「そんな!このままじゃレイガさんの体がっ」

ルーシィが、慌てだす。
だがレイガはもっとほかに、恐れている事があるようだ。

『…グレイ…が…』
「グレイに、何かあったんですか!?」
『巻き込まれる…頼む、ルーシィ…』

鬼灯を見つめると、綺麗な瞳がうつる。

『俺に、魔力を注いで…少しだけ向こうに行かせてくれ…』
「…!はいっ」

ルーシィは、鬼灯を手に包むと魔力を送り込んだ。
だが、変に力が入らない。

「ぅう…!」
『ここにいて、魔力が茨姫に捕らわれている!?』
「そんな…!せめて、貴方を!」

力いっぱいに鬼灯に魔力を流し込む。


『…これが、最後の俺の姿だ…』
「えっ…?」
『鬼灯は、一回解放されると、そのまま消滅してしまう』

体も、心も、遺伝子レベルでも残らない。






「…う、ぅ…」
「よぉ、目が覚めたかよ」

グレイが体を動かそうとするが、縛られていて動かない。
つくづく思う、運がないなぁと。

「…1分、俺が爆発するまでの時間」
「は?」








50



「ふぅぅうぅ!!」
『くそっ、まだだ…!』





40



30    




20




10





「…悪いな、ガキ」
「レイ、ガ。てめぇっ、爆破って」





3



「……                                                 






         グレイ」


「え、」



ドンッ


本物のレイガが最後に、した行動は。






恩返しだった。


グレイを、なるべくと力強く突き飛ばす。




「レイ、」









爆風で、全てが見えなくなった。



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