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第四章【思い出の魔法書】
『ルーシィ行方不明』
『やっと帰ってきたルーシィ、もう七年も』
「……え?」
おかしい、それでしか形容できない。
ルーシィの母、レイラ・ハートフィリアはX777に死亡している。
この記録は、間違いなく母が記録したものだろう。
筆跡から見て、間違いない。
もう一度確認しよう。
母は、昔に死亡しているのだ。
こんな真新しい記録なんてされているはずがない。
「…どういう、こと…?」
この記録書は、何か秘密があるかもしれない。
まずはギルドに戻ろう、エルザは馬車を指差した。
―ギルド―
生憎、レビィはいなかった。
そしてフリードも、雷神衆とともにクエストに行っている。
「運が悪いな…。」
エルザは、額に手を当てうなる。
このままではこの本を解けるものなどいない。
すると、木製のドアが音を立てて開いた。
(クエストから帰った者か。)
そう思い、エルザは挨拶をしようとするが―
その人物に、衝撃を受けるしかなかった。
それは、グレイも同じのようだ。
「ジェラール!」
「メルディ!?」
二人の客人―ジェラールとメルディは、フードを深くかぶっている。
「いきなり、すまない。」
「グレイとエルザに、渡したいものがあったの。」
なんだろうと思い、グレイとエルザは渡された古い本を貰う。
本と言うより、紙を魔法でまとめた魔法書だ。
「…?」
ぱらぱらとめくるうちに、二人は真剣な顔になっていく。
「エルザ…お前のそれは、楽園の塔があった場所においてあった。」
「え、」
「それも、お前と俺が最初に会った場所だ。」
確かに魔法書は、埃がかぶっている。
払っても元が古紙のようで、綺麗とはいえなかった。
「グレイ、貴方の住んでいた村の野原にそれはおいてあったわ。」
確かその野原は、焼け野原になっていたはずだ。
なぜ本が置いたあったのだろう。
「本当は6年前に見つけたんだけど…、ウルティアはジェラールに預けておいたらしいの。」
「ああ、見たところ危険な魔法だったからな。まだお前には早いだろうと…。」