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ヘッドフォンアクター
作者: 弥生  (総ページ数: 22ページ)
関連タグ: カゲロウプロジェクト 
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10~ 20~

*1*


01「カゲロウテンポ」






さて、物語はどこまで発展しただろうか?

主人公…だったあの頃。それも知らずくっつき回す人間。この世界で…この時間で…何が知れただろう。






俺は…シンタローだっけな。


何もない…とは言えない瓦礫ばかりの世界でシンタローは目覚めた。時として場所を選ばず。そんな言葉が横切り何故か傷む体を無理矢理引き起こし立ち上がった。


周りは見渡す限り瓦礫、ビルなのだろうか?長細い建物も崩壊していた。


「俺は…一帯」


頭を捻る。確か…そうだ!射撃ゲームというふざけた出し物目当てで高校へ見学に行っていた帰りだったかな。
確か…あの弱い先輩に勝って…………それから…


「あぁ!おもいだせねぇ…!どうなってんだ!?」


それから…それからがでない。
どれだけ考えようが真っ白な空間に放り込まれるような…まるで記憶が塗り替えられるような感じだ。

(確かもう一人…………いたような)


周りをキョロキョロするも誰もいない。


「とにかく人を…………人を探そう」


一人では流石になにもできないためシンタローは傷む体を気にせず歩きだした。








歩き続けること30分。
おかしい…誰もいないどころか気配すらない。

当たり前と言えば当たり前だ。

崩壊なう…の町に誰がいるというのか。


「なんで…………って、ん?」


体に違和感を覚える。頭の中に情報が流れ込むように電子信号が送られた。ビリビリと痛む頭の中にはある記憶が押さえ込むように表に出てくる。



エネ…キド…………カノ……コノハ…


「何かの名前?」


4つの記憶がイメージされる。
なんだこれ…どうなってんだよ!


膝を地面に這いつくばって頭を抱える。
先程出てきた名前?と思われる人物の情報が頭に流れ込んでいる。



「ねぇねぇ!君、なにやってんの……?」

突然思考を横切る一言が耳に当たる。
顔をあげるとそこには黒いフードパーカーを着た、狐目の少年だった。


「…………カノ」

え?なんやってんだよ俺!なにいきなり君僕の友達ですよね?見たいな感じで喋ってんだよ!?あぁ!コミュ障が炸裂だとぉ!?


「よくわかったねぇ、そー僕はカノ、君は?」

「し、シンタロー、です」

「シンタロー君かー。不思議だなぁ、初めてあったとは思えないよ」

「同じくだ」


目覚めてあった一人目がカノであった。

あと3人。

しかし意味はあるのだろうか?このカノと名乗る人物は何故か慣れたような違和感があるのだが。


「な、なぁ、あんたは…カノはどーやってここへ?」

「うぅん?わかんないよ」

さらっと言われた。不気味に笑いながらニヤッと微笑んだ。周りの瓦礫が崩れる中、後ろのビルと思われる建物が何らかの爆発音が鳴り響き、瞬時に燃え上がる。


「ば、爆弾…?!」

「そーみたいだね…どうする?逃げる?」

「もちろん逃げるに決まってんだろ…!」


逃げる?なんでそんなことを聞くのか…それは即様理解できた。逃げるってもどこへ!?降り注いでくる爆弾と思われる黒い物体が見える。後ろから崩壊してゆく様をずっと見ていた。


「はぁ、仕方ないねぇ…」


カノの目が赤くなった。



「えっ!?」

愕然とした。目の前にいたカノが消え、代わりに赤いマフラーを着けた女の子が立っていた。見たことある!そう感じてしまった。


「ほら、ノロノロしない!シンタロー、行くよ!」

「ちょっ…行くってどこえ!?」

「もう、わかってるんでしょ?シンタロー君」

…………丘の向こう。あと12分…と告げた。



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