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第10話〜現実〜
ミクside
「おはい?」
「お・だ・い。人で言うお金だよ」
人じゃないのか。それより
「もう望めないって事?」
「よく解ったね。」
ええ!?
絶対にいやだ!
「で、ミク。僕からもお願いしていいかな…?」
「な・・・何?」
「その瞳の奥の…僕にくれない?」
よく聞こえなかった。
しかも肝心な所を。
「もう1回」
「もう言わないよ?その瞳の奥の鮮やかな夢…
全部貰ってあげる」
「え?」
彼はティーカップに紅茶を注いだ。
それで紅茶は全部だったようだ。
「はい。これ半分飲んで。」
「わかった」
その紅茶は味はなかった。
色もない。
水の味がした。
「はい」
「ありがと」
そして砂糖を入れて次はレンが飲み始めた。
「え!?何これ!?」
突然部屋が白黒になった。
見渡す限り白と黒。
勉強机も、
レンの机も、
ベッドも、
レンも。
「ふふ。ふふふふふ…」
「レン…」
「ははははは!」
ティーカップを手に持ったままレンが笑い始めた。
「どういうことなの!」
「さっき言ったばかりだろう?君の夢全部貰ってあげるって」
「こんなのおかしいわ!」
「ふうん。惨めな顔だねえ。」
・・・
「納得できない!」
「納得するしかないよ?本当に起きているじゃん?」
「何でこんなことに!」
「うーん…求めすぎた罰って所かな?」
「なんで!レンに求めただけなのに!」
「求めすぎたら駄目ってことだよ」
だけどやっぱり納得できない!
「これが現実だよ」
「…」
もう言葉が出ない。
「かっこつける気持ちは無いけど…
ユメに溺れたら夢は叶わない。てことだね。」
「い…」
「ま、良かったじゃん。この世界なら僕といつでも会えるよ?」
「や…」
「今日からミクも…モノクロの住人だね。」
「だ…」
「代表してあいさつするよ。
…モノクロの世界へようこそ!」
「いやああああああああああああああ!!!!!!」