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ユキノオト
作者: 桜 (総ページ数: 28ページ)
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*紹介文/目次*
----はやく、春が来てほしいですね。
それは、まだ世の中が今よりも平和であったときのことだった。
----そうか?冬嫌い?
紅の傘の下、首をかしげながら歩くあの人は目線をあわせて聞いてきた。
----嫌いじゃないんですけど・・・・。春は、暖かいじゃないですか
雪がほたほたと降っていた。
----・・・俺は、好きだよ。春も、夏も、秋もいいけど、冬が一番好きだ。
----どうしてですか?
----冬には雪が降る。雪は、お前に似ているじゃないか、白くて、小さくて、消えてしまいそうなところ。
----・・・・・
----おい、どうした? 熱でもあるのか? 顔、赤いぞ?
----今の発言しといてなんですかそれ!!
----今のって、おかしな発言したか?
----・・・・・・・・・・・・
----おい。
----もう、いいです。・・・・っえい!!
浅く積もった雪をかき集め、ぺし、とあの人に投げる。
青色なきものが濡れて、さらに深さを増していた。
----おっめぇ・・・・十倍にして返してやる。あ、こら待て!雪音!
幸せだった。とてもとても幸せだった。あのころは。
ずっとこのままでいたかった。けれども、外の景色が変わるように、すべてが変わって往った。
逝かないで、と願ったけれど、それは叶わぬ願い。
それがこの世の理だから。
目次
第一章 >>1
第二章 >>2 >>3 >>4
第三章 >>5
第四章 >>6 >>10
間隙 >>7 >>8
第五章 >>11 >>12
第六章 >>15 >>16
第七章 >>17 >>18 >>19 >>20
第八章 >>21 >>22 >>23
第九章 >>24 >>25 >>26
終章 >>27
10~ 20~
*9*
しばらくテストなので、一週間弱ユキノオトお休みします。
BY桜