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僕は名のない公園で青空を見上げる【完結】
作者: 桜音 琴香 (総ページ数: 40ページ)
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作者: 桜音 琴香 (総ページ数: 40ページ)
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学校の近くに新しい絵画展が出来ていた。学校の
近くには少し古びた絵画展があったのだが、
絵があまり飾っていないので一度きりしか
行かなかった。だが、新しく出来た絵画展はとても
小綺麗で、人も多かった。僕は好奇心に誘われて
その絵画展に入った。僕は絵画展を行き渡りするのが
趣味だった。親には渋い趣味だ、と笑われている。
中にはクラッシックの音楽がかかっており、
とても大人っぽい雰囲気を放っていた。絵画を見て
回っていると、ふと足を止めた作品があった。
作者不明と書かれた絵画。普通、絵画展なら作者名を
表示するはずだ。その絵は公園の絵だった。
濃くも薄くもない絶妙な青空が美しく、
ありがちな公園なのに見とれてしまった。
作者名のことを絵画展の人に訊いてみたが、
どうやらそのことは分からないらしい。館長が
昔 誰かから買い取ったと言っていた。
僕はその絵をガラス越しになぞった。
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