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僕は名のない公園で青空を見上げる【完結】
作者: 桜音 琴香  (総ページ数: 40ページ)
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10~ 20~ 30~

*30*

今朝はいつもより早起きをした。携帯のアラームは
6時30分に設定したはずだが、5時に
起きてしまった。まだ母さんは起きておらず、
僕は自室で絵を描くことにした。
だが、かをりと平野のことが脳に過る。それを
遮ろうとした時、ひとつの疑問が生じた。
何故、平野はかをりが僕を好きだということを
知っている。あの時、平野は確かに言った。
ーーーーかをりちゃんが水沢のこと好きって、
本当なのかよ。
もし平野がかをりからそのことを聞いたのなら、
わざわざ僕に聞く必要がない。そのことを
確信するはずだ。それに、平野がかをりを
好きだということが本当なら、
そのことを僕に聞いてなんの得もない。

結局、僕は思考を不完全なところで止めて
絵を描き始めた。

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