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■第七章 いざ、戦いのとき■
幕間
上品で美しい縦まきロールの赤い髪を持った少女は幼いとき夢を見た。それはキラキラしていて宝石箱にも収まりきらないほどの大きな夢。
星硝子に夢中になる少女は苦労を積み上げながらも、とても輝いていた。
あるところに、その輝きに憧れたもう一人の少女がいた。その少女は赤髪の少女と友達で共に同じ夢を追いかけたいと願った。
「私たち、どちらが先に有名になるか。競争だよ」
無邪気に笑いあう少女たちはまだとても幼かった。
赤髪の少女は着実に技術を上げて行った。けれど、後から星硝子に触れた少女の方が早く上達していった。それは稀に見る『天才』というものだった。
最初は赤髪の少女に向けられていた賛辞も、次第にもう一人の天才へ浴びせられるようになる。少女は眩しいほどの整えられた道を歩み、そのまま海外へ留学していった。
けれど赤髪の少女はそこで絶望というものを知っていしまった。
その日から、彼女は努力を嫌った。
成長した彼女は、世間を知ってしまったのだ。
報われるものなんて、何一つない世界を。
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