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恋乃手紙
作者: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU  (総ページ数: 61ページ)
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*5*

今日は始業式だったから、部活はなかった。
家に帰って、スマホの無料会話アプリを開く。
それで、有季のページを選ぶ。

今まで、2人で、バカ話ばっかりしていた。
昨日までの会話がまだ残っている。
たわいもない、普通の会話だ。

何で、すぐに、告らなかったんだろう、私。

何で、すぐに、有季は言ってくれなかったの、彼女のこと。

「うわさで聞いた。彼女できたんだってね。麗子でしょ?麗子と仲良くしてね。」

できるだけ、ぶっきらぼうに見えるように文章を打った。
「送信する」をタップし、私はアプリを閉じた。

部屋からでると、お母さんが台所で夕飯を作り始めていた。
いつもは仕事なのだが、今日は珍しく休みのようだ。
「お母さん。」
「ん?」
「髪、切りに行っていい?部活で、邪魔になるし。部活休みなの、今日だけだし。」
「いいわよ〜。」

私は、母からお金をもらうと、ありがと、と軽く礼を言って、家を出た。

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