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罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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*4*
あたしには嫌いなものがある。
それは。
人の幸せ、つまりは他人の幸せである。
これは勿論海斗の幸せを除いて、だ。
あいつは可愛いからな。
ふっ。
「気持ち悪いわね、お母さん」
…失礼なやつがいる。
なんだ。
ミルカはめんどくさそうに白い髪の少女に目をやる。
彼女は白川ミズホ。
正真正銘、白川のお姫様、とされる少女である。
そして、ミルカの娘でもある。
これを整理すると少々めんどうなので、今は伏せておくとしよう。
「ミルカちゃあ〜ん、おかえりー」
白い髪の白衣を着る男。
彼はミルカの夫であり、正真正銘の白川の若であった者である。
「うん、ああ」
素っ気ない返事をすると、夫はふてくされた。
ほんとにめんどくさいな、おまえ。
だまれ。
「おかえりーは大事なんだからねっ!」
かってにいってやがれ。
うざいから。
こいつは白川の若である。
あたしはこいつをふかくにも愛した。
こいつもあたしを…愛した。
あたしを罪人の娘とも知らずに。
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