完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ:
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*5*

ブワァァァァ

「わーすんごいいい髪だよねーミルカちゃんてさ」

夫、白川ミドリはあたしのベリーピンクのウェーブのかかった髪をドライヤーで乾かしていた。

「はっ、当たり前だが?」

「なにを根拠に当たり前だが?とか言ってんだろね、不思議」

やっぱばかだからかな…とか言ってるように聞こえるのは気の所為だ。
何故ならあたしは天才でだな…?

「はぁ。できたよ、ミルカちゃん」

「ご苦労だったな、白玉」

「白玉違う!」

「なに?じゃあ、白髪染めしてる変態野郎か?ん?」

「地毛だよ、ミルカちゃん…」

「可哀想な地毛だな。ミドリ…」

「可哀想!?がーん!」

その効果音?
うざい。
効果音は海斗限定でだな。
あいつがやるとうざくてだな?

「お母さん!お小遣い!!明日、明日香ちゃんとカオルと出かけるのー」

「カオル?珍しいな、カレンのとこのやつ」

「ねー、いつも来ないのよね、カオル」

夕月カオル。
海斗の愛娘の幼なじみというやつである。
非常に明日香に対して、面倒見のよいやつである。

うちの馬鹿娘もみてやってくれ、カオル。
あたしはそうオモイつつ、ミズホに哀れみの目を向ける。

「あ、カオルのお母さん」

テレビを見れば、たしかにカレンが映っていた。

「夕月カレンピアノコンクール審査員決定」

とCMにながれる。
このピアノコンクールはあたしでも知ってるほど世界的にすごいコンクールであり、カレンに認められるというのはすごいことであるらしい。

夕月カレン。
黒髪のかなりの美女である。
露出がおおいが、世界的に有名なピアニストだ。
モデルもやっており、カレンを知らないやつはまあいないだろう。
それほどの実力者なのだ。
少々とかの次元ではなく、ド天然だが。
勿論息子であるカオルにも、相当な実力はあるだろう。

「が、お小遣いはないとおもえ、いいな」

「え!?」

「今月はもうやったろ?な?」

「〜っー!」

ミズホは夜中まで必死にあたしに頼んできたがそれは時間の無駄である。

4 < 5 > 6