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罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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*6*
「やっべぇ!すんげぇ寝坊した!!!」
時刻を見れば、8時を回ったところだった。
もう終わった!
こんな、時間ではミズホの弁当だって間に合いやしないだろう。
そして、「家族」の分の朝食だって作っていない。
本気で終わった。
とにかく急ぐしかない。
高速で、紺色の上品な制服を着ようとすると、ガチャッンッ
ーーーー?
あんだ、このくろい物体は。
ん。
ーーー銃であった。
やべぇ。
ロックしてねぇ。
下手すれば部屋に穴があいていたに違いない。
朝からついてない。
最悪である。
「ミルーー!?ちこくするわよー!!」
ん?
母さんの声?
なんだちょうどいい!
来てたのか!
ふ、今日のあたしはついている。
下に降りれば、ベリーピンクのかみのショートカットのエプロンをまく女性。
母さんだ。
「ミズホちゃん!ほら!持ってて!ミドリくんも!」
「ありがと!おばあちゃん!!」
「ありがとうございます、紅葉さん!」
「ほらほら!ミルカも遅刻するわよ?はやく食べて!」
「ああ…」
なぁ、母さん。
知ってるか。
もうな、完全にちこくしているんだぞ。
仕事はあたし、もう8時に部活と訓練内容を確認してな、もう訓練してる時間なんだぜ。
急ぐなんて無理だ。
もう起きた時点でoutでな。
でも、母さん。
これ、うまい。
ブブブ・・・・・
あん。
ケータイを確認する。
舞黒ハルト。
あたしの部下である。
「ん?」
フランスパンを片手にケータイに応答する。
でるだけ、えらいぞ、あたし。
「遅刻ですね、ミルカさん」
「承知」
「承知じゃありません。部下にはてきとーにやらせますけど、貴方がいないと話になりませんからね…?」
「へーへー」
てきとーに受け流す。
まぁ、とりあえず行くしかねぇな。
あ、海斗の見舞いも・・・・・行かなきゃな。
寝たきりのあいつを外にだしてやんないとな。
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