完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
関連タグ:
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
関連タグ:
*7*
「海斗・・・・・?起きてるか?」
「んにゃぁぁぁぁ・・・・・?」
「おはよ、起きてんじゃんな。寝てるかと思ったぜ?」
青いカーテンにつつまれたベッドにいたのは
小さな身体の女の子・・・・・じゃねぇな、男の子がいた。
「ん〜みるぅ〜海斗ねぇ、お腹さんすいたかもっえへ?」
可愛い!!!
可愛いな、おまえは!!
好きだ!!
大好きだ!!
海斗は漠然とあたしをみている。
どうやら心を覗かれたようだ。
変態め。
このように海斗は人の心を覗く事ができる、ルフェリ族にしか使えないという、鏡魔法が使えるのだ。
あたしには使えないがな。
ふ。
「さて帰るな」
「うん・・・・・わかったぁ」
あたしは海斗の姉である清水レイアに一言あいさつをして病室をあとにする。
彼女は清水『きよみず』の本家に嫁いだ清水の奥様、となるのだ。
ルフェリ街の本家をでようと下り、街にでる。
街に下る度、思いだす。
ーーーーあたしはあの時を。
石を投げつけられる。
痛かった。
罵声も浴びた。
慣れればなんとも思わなかった。
『あそこの娘さん気の毒ね』
『父親があんなんだからね・・・・・』
向けられるのは哀れみを込めた皮肉。
もう、戻りたくはない、あの頃には。
もうーーー。
誰もが羨んだ家族だった。
それなのに。
あの時からだ。
崩れた家族。
ーーーーもう戻れないけど。
PR