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罪人の娘 「end」
作者: 水沢麻莉衣  (総ページ数: 27ページ)
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10~ 20~

*8*

どうしたら。
どうしたら。
許されるのだろうか。

その娘というだけで何故ここまで罵声を浴びなくてはならないのだろうか。

『ごめんなさい、許してください 』

こんな言葉意味なんて無いじゃないか。
何の為に謝罪なんてあるのだろうか。

第一あたしは何もしてないのに。
何故あたしが・・・・・?

父さん。
なんであんなことしたんだ。
何が不満だったんだ。
あたしか?
あたしは何かしたのか?
だからこんなことしたのか?

姉さんあれから、髪染めてしまったんだぞ?
このご世代染める奴なんていないのに。
このベリーピンクは舞黒の象徴として罵られるから、と。

母さんだって。
職ないままあたしに食わせるのに精一杯だったんだぞ?
あたしがどうにかしなきゃって。
それでも罪人の娘である以上、誰も雇ってくれやしない。

折角今手に入れたこの仕事。
この温かい家族。

失いたくないものが沢山できてしまった。
これをどうしたら。
守っていけるだろうか。

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