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*5*
ライブが行われる屋外ステージについた三人は、未来のところに向かった。
「ああ、皆!来てくれたんだ」
屋外ステージのすぐ後ろの控え場で、未来がギターを手に最終確認をしている所だった。
「すげーな結城さん!ギター弾けるのか!」
拓海がキラキラと目を輝かせていた。
「あはは、まあ、ちょっとだけ」
そういう未来も、まんざらでもなさそうだった。
「結城未来さーん、そろそろスタンバイお願いしまーす」
「はーい」
未来は三人を見て、にっこりと微笑んだ。
「じゃ、聴いてて。」
未来は5組のうちの大トリだった。
「お、次は未来だ」
カイトは、緊張と楽しみが混ざったような気持ちだった。
「おいおいカイト、大丈夫かよ!すげー顔だそ?」
ケラケラと笑っているうちに、未来のうたが始まった。
それは、前のうたよりももっとすばらしくて、素敵で、美しいもので。
この会場のすべてのひとが、未来のうたを聴き、見ていた。
そしてカイトは、涙を流した。
歌にすべての感情を込めた未来の想いがカイトに通じていたからだ。
それと同時に、カイトの心は完全に未来に奪われた。
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