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*8*
あの出来事以来、カイトの未来に対する様子がおかしくなっていた。
そして、ゆきとは時間の許す限り一緒にいるようになっていた。
未来の方はテレビに出ない方が珍しい、売れっ子となり、家に帰らない事も多かった。
ある日。
「なぁ、カイト」
拓海だった。
「お前、結城さんと付き合ってんなら、小波とベタベタすんのやめろよ」
わざわざ家にまで押しかけなくていいのに。
カイトはそう思ったが、質問に答えた。
「ベタベタなんてしてないよ。拓海がヤキモチやいてんじゃないの」
拓海の顔がカッと熱くなる。
「ちげぇよ!結城さんはどうなるんだよって話だ!」
その時、ゆきがひょっこりと顔を出した。
「何してんの、カイト。あれ、西川!」
「小波!お前も考えろよ!あんなに結城さんの事気にかけてただろ!」
すると、ゆきはニィッと気味の悪い笑顔を見せた。
「そんなことした覚えないし。全部、アンタと未来をくっつけるために決まってんでしょ」
拓海の顔、全身は凍りついた。
「大学初日、カイトを見た瞬間、私は一目惚れしたの。アンタが声をかけてきた時、これ以上喜んだ事は他になかった」
「なのに未来となんて…。最初は驚いたけど、だんだん未来が憎くなって…」
「まあ、西川。アンタには少し感謝してるってこと」
拓海は、すごく驚いた顔で放心状態になっていた。
それをカイトが強引に押し返すと、ドアの鍵をかった。
そしてカイトが気がついた頃には、ゆきともう体を重ねていた。
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