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壊れた後の物語
作者: 彩都  (総ページ数: 20ページ)
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10~

*13*

「ナンダソレダケデイイノカナックル?」
ナックルはμ君が僕に言うあだ名だ。
「あぁ、それだけで良い」
そう言った瞬間、僕の目の前にいた友は消えた。
否、消えたのではない、見えなくなったのだ。
μ君のたった一発のパンチで。
ドカーン、パララ…と音がした後友は物を蹴って、その反動で前に出て、μ君を殴り返した。
同じくμ君も見えなくなった。
だがμ君はすぐに立ち上がる。
「アマリイタクナイ…マサカオレサマハマダシンカシテルノカ…」
そう言って、友に近づき、殴り合いを始める。
僕は真友の所へと向かい、真友の前に立つ。
「やぁ、真友…」
「やぁ、クーちゃん…」
僕ら二人は見つめ合った。
後ろでは人類最強並と最終兵器並の戦いがあるのに。
僕は懐に有るナイフを持ち、右手を上げる。
真友も同じ様な事をする。
右手を持ち上げたまま、見つめ合った。
まるで僕らには永久の時が流れている様だった。
僕は大きく深呼吸をする。
真友も同じ事をする。
僕は思う。
違う形だったら恋人どうしにもなれたかもしれない。
するとμ君は声を出した。
「ハァー、ナックル、コノオンナヲタオシタゾ、コレデイイノカナックル?」
後ろの戦いはμ君が勝った。

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