完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*9*
ステージ6「ダンボールの草地」その一
この話の主人公、毛利元就
一行、毛利元就、ヨッシー
「いや〜、いい夜空だな〜」
「そうだね〜」
草原の夜、毛利元就とヨッシーが寝そべって夜空に輝く星を眺めていた。ヨッシーの村の事件の解決後、元就とヨッシーは亜空軍を倒す旅に出たのだ。その道中で夜になり、ここで休むことにした。
「はあ、この世界でも戦いが起きているのか。安穏した老後は、送れそうにないなあ」
「老後ってなあに?」
「隠居生活って言う意味さ。私がいた世界では結構、戦が絶えなくてね。よく戦場に行かされたものさ」
「そうなんだ〜」
「うん、でも、君の村はとても穏やかそうだね。これが終わったら君の村でゆっくり暮らそうかな?」
そんなことを言いながら元就とヨッシーは床についたのだった。
そして翌日、元就とヨッシーは、ダンボールで出来た自然の道のりを歩いていた。道はまっすぐ、旅は順調、と思われていたが、
「待て〜い!」
「な、何だ?!」
「ここから先は、とうさんぞ〜う!」
突然、道のりを二足歩行に赤と白い水玉のパンツをはいて、手にはとうせんぼうのマークを掲げた看板を持った像が元就とヨッシーの進む道をとうさんぞ、と阻んだ。
「誰だい、君は?!」
「俺様の名は、とうさんぞう!ここをとうせんぼすることが、俺様の仕事だ!」
「つまり、ここは通してくれないのかい?」
「その通り!」
「どうしてもかい?」
「どうしてもったら、どうしてもだぞう!」
「困ったなあ、先を急いでいるんだけど、とうせんぼうするからには何かの理由があるのかい?」
「別にないぞう。とうさんぞうだからとうさんぞう、なんだぞう!」
「なるほど、とうさんぞうだから、とうさんぞう、何てね」
「そう、とうさんぞうだから、とうさんぞう・・・ぷははははは!!!」
何とも言えない問答が続いてダジャレになったのかとうさんぞうは笑い出した。元就とヨッシーはポカーンとしたが、元就は何かをひらめいた。
「そうだ、今の内に、あれを動けないようにできるかな?」
「任せて、くるりん〜は!」
ヨッシーはヒップドロップをした。とうさんぞうは逆様に転んで動けなくなった。
「しまったー、これでは起き上がることができないぞうーっ!」
とうさんぞうは何とか起き上がろうとしたが、中々起き上がることができない。
「ごめんよ、先を急いでいるんだ」
元就とヨッシーは悠々と道を進んでいった。しばらく進んでいくと、何かが吠えているのが見えた。
「おや、あれは?」
「わんわんわんわん!」
一本道に柱に鎖に繋がれていた厚い唇に丸っこい顔に茶色のブチをした犬が尻尾を振って元就達を待っていた。柱の所まで来て尻尾を振る。
「わあ、可愛いなあ。何て犬なんだろ」
「これはポチだよ。どうしたのポチ、自由になりたいのかな」
ヨッシーがポチにジャスチャーをして柱を外して欲しい、と尋ねると、ポチを何度も頷いた。
「じゃあ行くよ、くるりん〜は!」
ヨッシーはヒップドロップをして鎖をつなぐ柱を地面に引っ込めた。その衝撃で鎖が外れて、ポチが走り出した。
「おーい、どこに行くんだい?」
「追いかけていこう!」
ヨッシーと元就は、急いでポチの後を追いかけていった・・・。
続く・・・。