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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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?.住宅街・ハイカクリニック近辺

  住宅街を疾走するサングラスに帽子の男・・・曲がり角で一息つく。

男D「兄貴・・・(ハアハア)タイチ兄貴・・・(ハアハア)タイちゃん・・・(ハアハア)もう、ここまで走ればいいんじゃないすか?ねぇ、兄貴・・・?」



 このオトコの名前は、ダイチ。ヤシノキ町の裏社会を牛耳っている(自称)ギャング団の一員である。今先、兄貴分のタイチと、お仕事をしていたのだが、何処かへ置いてきてしまったらしい・・・・・・。



ダイチ「あれ?また、キレイなオネエサンにくっついて行っちゃったかな?それとも・・・(!)さらば、兄貴・・・」
  と、十字を切って・・・合掌する・・・と、突然・・・背後から誰かに頭を叩かれる。

ダイチ「イテッ!」
  と、振り返ると・・・モモのスーツケースを、両手に持った長身の男(ダイチと同じ格好)が立っていた。

男T「(荒い息遣いで)何やってんだよ?!」
  と、かなり・・・御立腹している。

ダイチ「あれ、兄貴?!無事だったの?」

タイチ「―ったくぅ・・・薄情なヤツだな。何でオレを置いてきぼりにした?!」

ダイチ「だって、兄貴が言ったんじゃない?」

タイチ「何て?!」



 それは、数分前のこと・・・・・・。








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