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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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  ドンッ!という音に吃驚するタイチ・・・体勢を崩し、手に持っていたナイフを海に落としてしまう・・・の隙に、脱兎の勢いでマストにしがみ付くモモ・・・を捕まえようとするタイチ・・・の動きに合わせて舵を操るリカ。ユラユラ揺れるヨット・・・に、右往左往するタイチ・・・足場が悪く立っていられない。

タイチ「こ、コラッ!やめろォットット・・・ゆ、ゆ、揺らすなァァァ・・・トットッ・・・」

リカ「誰がやめるもんですか。そぉ〜れ」
  と、左右交互に操縦する・・・に、合わせてよろけるタイチ・・・の動きがダンスのステップを踏んでいるように見えて、プッと吹き出すリカ。

リカ「お上手ね」

タイチ「(悔しそうに)ダイチッ!何時まで寝てるんだっ!起きろォ」
  の声・・・に、目を覚ますダイチ・・・の目・・・に、舵を左右に大きく揺らしているリカ・・・の姿・・・が、映る。

ダイチ「(起き上がり)ニャロー・・・!あったま来たぁー!!」
  と、舵を掴み・・・手前に引き寄せる・・・が、リカも負けじと引き戻す・・・を、何回も繰り返す度に・・・ヨットは左右に大きく揺れた。

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