完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ (総ページ数: 109ページ)
関連タグ:
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
作者: アルセ (総ページ数: 109ページ)
関連タグ:
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~
*90*
????.同・小西家のヨット
デッキ。
慎重に屋根から降りるモモ。
モモ「(一息つき)危機一髪だったね」
リカ「もう一人も無事みたい」
と、セーターを見せ・・・手渡す。
モモ「(大喜びして)良かったぁ〜」
と、大事そうにセーターを抱き締める。
リカ「・・・(ポツリと)さっきはゴメンね・・・」
モモ「え?」
リカ「そんなに大切な物だなんて知らなかったから・・・」
モモ「アッ・・・!」
と、気付く。
リカ「安物なんて言ってゴメンなさい」
と、頭を下げる。
モモ「そんな・・・アタシの方こそ、そんなこと知らなくて当然なのに・・・わかりっこないなんて言って本当にゴメンなさい!」
と、頭を下げる。
リカ「ううん、私の方が悪いんだから」
モモ「ううん、アタシの方が悪いんだから」
リカ「私の方だよ」
モモ「アタシの方だよ」
リカ「私だよ」
モモ「アタシだよ」
リカ「私!」
モモ「アタシ!」
モモ・リカ「(ムゥーッ)・・・」
と、数秒間・・・顔を見合わせ・・・プッ!と、笑い出す。
モモ「(フフフ)おかしいね」
リカ「(フフフ)何やってるんだろう」
モモ・リカ「・・・」
と、また・・・お互いの顔を見合わせ・・・アハハと、笑いあう。
リカ「私にもあるの」
モモ「え?」
リカ「大事なセーター、(寂しそうに)お揃いの」
モモ「・・・?」
リカ「(弾けるように)さあ、帰ろうっ!皆が待ってる」
モモ「戸惑いながら)う・・うん」
PR