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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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*20*

?.ヤシノキ公園

  ベンチでへばっているタイチ・ダイチ。

ダイチ「(腹の虫が鳴り)ねぇ、兄貴・・・最後に屋台のおでん食ったの何時だっけ?」

タイチ「忘れた・・・銭湯の湯船に浸かったら全部忘れた・・・」
  と、腹の虫が鳴る。

ダイチ「身体サッパリ頭サッパリ胃袋スッカラカン・・・どうするのよ、これから?」

タイチ「今、考えてるよ」

ダイチ「(セーターを見て)コレが下着だったらロリコン変態野郎の財布の紐もゆるむんだろうけど、コレじゃねぇ・・・」

タイチ「(少しイラついて)考えてるって」

ダイチ「あぁ〜、腹減った」

タイチ「だから、考えているとこ・・・(!)」
  と、何かを発見する。

ダイチ「(溜息をつき)このまま、一生金や食い物に縁がないまま終わるのかな?」
  と、ぼやく。

タイチ「そうとも限らねぇぜ」

ダイチ「え?」

タイチ「(スペイン語で)アレを見な。そのうち、満腹になって眩暈を起こすぞ」

ダイチ「ん?」
  と、タイチの視線の先を見る・・・と、信号待ちをしているリカがいた。

ダイチ「(ガッカリして)何だ、全然食えないじゃん」

タイチ「タコッ!誰があのJCS(女子中学生)を食・・・えないことはないか」

ダイチ「エ?今、何気に恐ろしいこと言わなかった?」

タイチ「(咳払いをし)ところで、ダイチ君。君、あの子の名前を知っているかね?」

ダイチ「何を藪から棒に。知るわけないでしょう。あんな何処にでもいるような普通の女の子」

タイチ「ありゃそう見えるがそうじゃないんだ。いいか、よく聞け」
  と、ダイチに耳打ちする。

ダイチ「小西リカ?・・・(!)小西ってあの・・・」

タイチ「オレの考えていること、わかったか?」

ダイチ「バッチリ!」

タイチ「(ニヤ)お仕事の時間だぜ」

  ベンチから立ち上がる二人。



 本日、2度目のお仕事を始めた腹ペコ悪漢凸凹コンビの次なる仕事内容は・・・









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