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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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*18*

○同・曲がり角のお洒落なスイーツカフェ

  沢山のお客で賑わう店内・・・の、窓際の席に・・・先程モモが通りで見掛けたツインテールの少女が・・・一人で座っている。

少女R(L)「(携帯電話を弄くりながら)今日の運勢は・・・あった!魚座」
  と、決定ボタンを押す。




 すると、こんな画面が現れた・・・・・・。



  携帯画面・・・『〜(仏単語で)マドマーゼルSHIZUKAの今日の星占い〜』

マドマーゼルSHIZUKAの声「魚座・・・今日のあなたは、最高にラッキーです・・・」

少女R(L)「やったぁ!」
  と、小さく・・・ガッツポーズをする。




 更に、下へスクロールさせると・・・




マドマーゼルSHIZUKAの声「思いがけない出会いをした人との友情が芽生え、その人はあなたにとってかけがえのない親友になるでしょう。躊躇わず、友達になって下さい」

少女R(L)「(画面を見つめながら)親・・・友・・・」
  と、自然に・・・指がボタンから離れる。

少女Xの声「あんなの違うよ・・・」

  慌てて後ろを振り返る少女R(L)・・・店内をキョロキョロする。

少女R(L)「(ホッ)気のせいか・・・」
  と、また携帯画面を見つめ・・・寂しそうに俯く。




 小学校時代に、少女Xに言われた「あんなの違うよ。」という言葉
は、少女R(L)が一番嫌っている否、自身の思い出の中からデリートしたい言葉である。Xの声が、彼女の頭の中を、ループを描くように駆け巡る・・・・・・。



少女R(L)「(辛そうに)・・・」
  と、耐え切れず・・・バンッ!と、携帯電話のフタを閉じてしまう。

少女R(L)「・・・」
  
  店の壁に掛けられてある仕掛け時計が、12:00を知らせる。

少女R(L)「(時計を見て)いっけない!」
  と、残りのアイスティーを一気に飲み・・・席を立つ。



 真っ赤なリボンを両サイドに結んだツインテールがトレードマークの小西リカ(中学1年生)は、13:00に隣クラスの生徒とヨットハーバーで会う約束をしていたのだ・・・・・・。








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