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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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???.ヨットハーバー(全景)

  黒い人だかりが出来ているカフェテラス・・・ジュンコが通りかかる。

ジュンコ「(不思議そうに)何かしら?」
 

      ×      ×      ×

ジュンコ「(人込みを掻き分け)すみません、すみません・・・」
  と、謝りながら真ん前へ進む・・・と、ハルヒトとリキを発見し、声をかける。

ジュンコ「小西さぁーん!」

ハルヒト「(ジュンコに気付き)あぁ、ジュンコ先生・・・」

ジュンコ「(周りを見渡して)・・・何かあったんですか?」

ハルヒト「リカが・・・リカが誘拐されたらしいんです。ウチのヨットで・・・まだ試運転してないのに(グスンッ)」

リキ「らしいじゃなくて本当にさらわれたんです!オレ、この目で見ましたもん!」

ジュンコ「(驚いて)えぇ〜?!」

タエコの声「アナタァー・・・」

ハルヒト「タエコ・・・」

タエコ「(興奮して)ねぇ、どういうことなの?リカが誘拐されたって?!犯人は何処??!」
  と、取り乱し・・・攻め寄って来る・・・迫力にたじたじのハルヒト・・・無言で海を指差す。

タエコ「(見て)!?もう、あんな遠くに・・・」
   と、ショックでへたへたと座り込んでしまう。

ハルヒト「タエコ、タエコ!しっかり!!」

ジュンコ「それにしてもこんな大変なことが起きているのに警察・・・警察は一体何しているのよ?!」

中年男性Nの声「ふわぁ〜い」

全員「?!」
  と、声のする方に目を向ける・・・と、トレンチコートと帽子を被った中年男性Nが・・・バナナを食べていた。

ジュンコ「(恐る恐る)あのぉ〜・・・」

中年男性N「(警察手帳を見せ)ヤシノキ警察署刑事課のネコダです」

ハルヒト「あの、刑事さん・・・」

タエコ「何で、バナナ食べてるんですか?」

リキ「(ズコッ)オバサン、聞くところソコじゃないです」

寝込田「昼飯を食いそびれたんでね、今が私のランチタイム・・・だから、ちょっと待ってて」
  と、バナナを頬張る。

全員「(ポカーン)・・・」
  と、寝込田を見ている。







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