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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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*5*

 ?.ヤシノキ通り


  オープンカーを運転するジュンコ・・・の隣の助手席で、はしゃぐモモ。

モモ「(目を輝かせ)わぁ〜、素敵ぃ〜・・・カエデ町とは全然違う・・・」

ジュンコ「どぉ、気に入った?」

モモ「最高!超オシャレー!」
   と、再び景色に見入る。


 常夏の海岸都市『ヤシノキ町』は、気候が年中温暖な南国ムード漂う太陽と海の似合うウェストコースト風の洒落た感覚の大都市で、名前の通り、町中の至る所に椰子の木が植えられてあるので、嫌というほど目に入ってくる。自然豊かな原生林と山々に囲まれた高原の町『カエデ町』からやって来たモモにとって、ココは、見るもの全てが牧歌的な故郷とは真逆で、新鮮だった・・・・・・。



モモ「正に大都会・・・」
   と、歩道に目を向ける・・・と、アイスクリーム片手にショーウィンドウを眺めるツインテールの少女(中学生)を見かける。

モモ「・・・(不思議そうに)ねぇ、ココ・・・本当に日本?アメリカじゃないよね?まだ、行ったこと無いけど・・・」

ジュンコ「(クスッ)その内、慣れるわよ」

モモ「アタシも今の子のようにお洒落で格好良いCG(シティーガール)になれるかな?」

ジュンコ「モモ、この町好き?」

モモ「え?うん、大好き!」

ジュンコ「(英語で)郷に入っては郷に従え」

モモ「え?」

ジュンコ「郷に入っては郷に従え。新しい土地で生活するなら、その土地の人々の風習や習慣に従いなさいって意味よ」

モモ「?」

ジュンコ「モモがこの町を本気で好きになって馴染もうって気があれば今日からでもなれるんじゃない」
  と、海岸沿いをそのまま走行する。















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