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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ  (総ページ数: 109ページ)
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リカ「絶対に・・・」

タイチ「(溜息をつき)悪足掻きも大概にしたらどうですか?御嬢様!」

リカ「!」

タイチ「アンタみたいな温室育ちの金持ち娘に何が出来るんだよ?!」

リカ「・・・」
  と、舵を握ったまま動かなくなる。

少女Xの声「あんなの違うよ・・・違う・・・違う・・・違う・・・違ぅ・・・」
  を、思い出し・・・動揺するリカ。



 「御嬢様」という言葉を聞いた途端、それまで張り詰めていたリカの緊張の糸がプツリと切れ、自分の中から消したい色々なコトが走馬灯のように、彼女の頭の中を駆け巡り、戦う気力を奪っていく・・・・・。



   無意識に舵から手を放してしまいそうになるリカ・・・を見て、勝ち誇ったかのようにニヤリと笑う・・・タイチとダイチ。

タイチ「オレ達の勝ちだな」

モモの声「ちょっと、そこのオジサン二人!」

タイチ・ダイチ「(ピキッ)誰がオジサンじゃ/だ!?!」
  と、振り向いた途端・・・ヨットのメインセールが迫って来て・・・ギョッとする。

タイチ・ダイチ「(見て)?!」

  ボカーンッ!とブームが二人に直撃し・・・仲良く海の中へドボーンッ!

リカ「?!」
  と、目をパチクリさせる。

モモの声「一度乗ったことがあるんだ!」
  に、視線を向けるリカ。

モモ「(笑顔で)ヨットに・・・♡」
  と、帆を上手に操りながら答える。

リカ「(ジーン)モモちゃん・・・」

タイチの声「あの〜・・・お取込中申し訳ないんですけどねぇ・・・」
  に、視線を向けるリカ。


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