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ヤシノキ町物語 第一話
作者: アルセ (総ページ数: 109ページ)
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作者: アルセ (総ページ数: 109ページ)
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*86*
リカ「絶対に・・・」
タイチ「(溜息をつき)悪足掻きも大概にしたらどうですか?御嬢様!」
リカ「!」
タイチ「アンタみたいな温室育ちの金持ち娘に何が出来るんだよ?!」
リカ「・・・」
と、舵を握ったまま動かなくなる。
少女Xの声「あんなの違うよ・・・違う・・・違う・・・違う・・・違ぅ・・・」
を、思い出し・・・動揺するリカ。
「御嬢様」という言葉を聞いた途端、それまで張り詰めていたリカの緊張の糸がプツリと切れ、自分の中から消したい色々なコトが走馬灯のように、彼女の頭の中を駆け巡り、戦う気力を奪っていく・・・・・。
無意識に舵から手を放してしまいそうになるリカ・・・を見て、勝ち誇ったかのようにニヤリと笑う・・・タイチとダイチ。
タイチ「オレ達の勝ちだな」
モモの声「ちょっと、そこのオジサン二人!」
タイチ・ダイチ「(ピキッ)誰がオジサンじゃ/だ!?!」
と、振り向いた途端・・・ヨットのメインセールが迫って来て・・・ギョッとする。
タイチ・ダイチ「(見て)?!」
ボカーンッ!とブームが二人に直撃し・・・仲良く海の中へドボーンッ!
リカ「?!」
と、目をパチクリさせる。
モモの声「一度乗ったことがあるんだ!」
に、視線を向けるリカ。
モモ「(笑顔で)ヨットに・・・♡」
と、帆を上手に操りながら答える。
リカ「(ジーン)モモちゃん・・・」
タイチの声「あの〜・・・お取込中申し訳ないんですけどねぇ・・・」
に、視線を向けるリカ。
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