完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*21*
第9話「親衛隊の襲撃、さらわれる仲間!」パート3
そして、ガーネットをどう救出するかを考えた後、砂漠に夜が訪れた。
「・・・・・・」
一行が寝静まる中、門人はただ一人起き上がった。作戦を考えるも、やはりいてもたってもいられなかったのだ。
「皆、オニキス、ごめん。俺、やっぱりじっとしてられないよ。ガーネットを助けに行く」
門人は誰にも告げずに出発しようとした。
「お待ちなさい」
誰かの声がして振り向くと、参謀シオンがいた。
「シオン・・・」
「解っています、止めはしませんよ、昼間から落ち着いていませんでしたよね。どうしても、助けに行くのですか?」
「うん、皆には悪いと思っているんだ。けど、俺一人のために迷惑はかけられない。俺は向こうの世界じゃ誰にも必要とされない存在だった。そんな俺に、ガーネットは手を差し伸べてくれた、俺のために涙を流してくれて、俺を守ってくれて、だから俺も彼女を助けられるようになりたいんだ」
始めて会った時に差し伸べられた手の感触、自分に流してくれた同情の涙、自分のために戦う勇姿を思い浮かべて門人は助けに行くといった。シオンは静かに聞いている。
「解りました。初めは頼りない故、守らなければいけないと思っていましたが、成長されていたようですね。安心を、止めはしません。ですが危険になったらこれを使ってください」
シオンは門人にある物を渡した。それは紫色の綺麗な水晶だった。
「シオン・・・、ありがとう!」
シオンに感謝すると門人は走り出した。大切な彼女を救うために・・・。
PR