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ガルズモンズ 序章編
作者: たくと七星  (総ページ数: 25ページ)
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10~ 20~

*10*

第6話「目指せレジスタンス、二人の新たな決意」



 気が付くと少年は牢屋の中に閉じ込められていた。そこに差し伸べられた優しい手。自分を必要としてくれる仲間達に支えられ、数々の強敵達を退けて、今、外の世界へ出ようとしていた。


「やった・・・」
「やりましたね」
「僕達、ついに・・・」
「門人の救出に成功したわよブヒーン!!!」
 ガーネット、シオン、ブブが外の景色を見て、脱出に成功したことを喜んだ。アカオークと妹達が手を繋いで輪を作って踊っている。
「いえーい、ついに出れたぜーい!」
「ア、アクアさん、そんなにはしゃがなくても」
「まあ、いいじゃないかな。ようやく牢から出れたんだからね!」
「わーい、あたし嬉しいから踊っちゃおっと!」
「わーいモチ!」
「僕達も踊るモチ!」
 アクアがクリアの手を握って小踊りした。ペリドットも三色のモッチ達とダンスをする。フロスティもようやく出れたとホッと一息した。
「皆、喜ぶのに大袈裟すぎなんじゃ・・・」
「いいのですよ門人さん。喜ぶ時はとにかくはしゃいでいた方がいいのです。そうでないと緊張がほぐれませんからね」
「そうそう、こういう時は凄く喜ばなくちゃ。じゃあ門人も踊っちゃおう!」
「え、ガーネット!」
 ガーネットが門人の手を引っ張りクルクル回してダンスを始めた。シオンが穏やかな微笑みをして喜ぶのだった・・・。


 そして夜、シオンの提案でひとまず休息することにした。
「ううん・・・」
 アカオークのいびきがうるさく門人は目を覚ましてしまった。
「あれ・・?」
 よく見ると、ガーネットの姿が見えないことに気付いた。起きて探し回っていくと、
「あ・・・」
 星空が見える野原で夜空を見ているガーネットを見つけた。
「ガーネット」
「あ、門人。起きてたんだ」
「ここで何をしてたの?」
「星を見てたんだ。う〜ん」
 ガーネットは立ち上がって背伸びをした。
「門人、私ね、星空を見るのが好きなの。星を見てると、心が穏やかになって、この先何があっても大丈夫って思えるのようになれるの。門人はいつも星を見てる?」
 ガーネットが水晶のような綺麗な瞳で門人を見つめた。
「俺?ううん、あまり星を見たことがないんだ。いつも落ち込んでて下ばかりを見ていて・・・」
「そうなんだ・・・、色々辛いことがあったんだね。でも、私は君にそんな思いはさせないよ。じゃあね、これから星を見るようにしよう。門人もきっと星を好きになれるよ」
 ガーネットの言葉を聞いて門人は星を見上げてみた。上空の空にはいくつもの星の数が模様のように煌めいていてまばゆい光を放っていた。
「綺麗だ・・・」
「えへへ、そうでしょ」
「うん、夜空の星がこんなに綺麗だなんて思ってもみなかったよ。ありふれたものだと思っていたけれど、見てみるとどんなに綺麗な光り物よりも美しいものなんだなって思えるよ」
「良かった、気に入ってもらえて。ねえ、門人」
「何?」
「貴方だけに教えてあげる。あたしのことを・・・」
「何を?」
 ガーネットは空を見上げて自分の過去を話し始めた。
「私ね、お父さんを探しているの。一緒に剣の修行をして、一緒にご飯を食べて、一緒に探検して、暖かくて大好きなお父さんだった。でも、ある日突然行方不明になったの・・・・」
「・・・・・・」
「私、お父さんを探したい。それでレジスタンスに入ったの。そうすれば、お父さんに関する話が出て、いつか会えるんじゃないかって。だから私、門人のことが他人事と思えないって思えたの」
「え?」
「門人も私と同じ一人ぼっちで、同じ気持ちになって、放っておけない、貴方を一人にしちゃいけないって・・・・。門人、大丈夫よ。私、これから何があっても貴方のこと、守っていくから」
「ありがとう、ガーネット、俺も君の役に立てるよう出来る限り頑張っていくよ」
 門人は感じていた。もしかしたら自分がこの世界に来たのは運命だったのではないかと。気が付くと二人の距離は近くなっていた。そして、二人は互いの唇を重ね合った。甘く優しいキスをする門人とガーネット。少年は舌を入れて彼女の口内を、舌を絡め合っていた。ガーネットはビクビク震えるもそれを受け入れ、濃厚なキスを重ねていく。口を離すと二人の口を銀色の糸が結んでいた。
「ごめん、俺、何てことを。まだあって間もないのに・・・」
 門人が謝るも、ガーネットは穏やかな笑みを浮かべていた。
「ううん、大丈夫よ。こんな気持ちになっちゃったのは貴方が初めてかも・・・。私、貴方が好き・・・」
「え?」
「くす、これは本気だよ。だって、私、貴方を守るって決めたから。これからもよろしくね、門人・・・ちゅっ・・・」
 ガーネットが再び門人にキスをした。その後二人仲良く座り、今後を見据えながら星空を見つめるのだった・・・。



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