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ポケモンストーリー コロシアム編
作者: たくと七星  (総ページ数: 36ページ)
関連タグ: ポケモン ポケモンコロシアム バトル アクション 恋愛 
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10~ 20~ 30~

*5*

episode1「フェナスシティ」パート3


「エーフィ、ブラッキー、でんこうせっかだ!」
「フィーっ!」
「ブラ・・・!」
 ヌーンの指示でエーフィとブラッキーはでんこうせっかに出た。
「来たな、ヘイガニ、けむりだまだ!」
「ガニ!」
 ヤッチーノの指示でヘイガニはハサミに隠していたけむりだまを出してそれを投げ飛ばした。玉が爆発して煙が出てきて視界を覆ってしまう。そこへクサイハナが煙に紛れてメガドレインをしてエーフィとブラッキーの体力を奪った。
「エーフィ、ねんりきだ!」
 エーフィはねんりきをして煙を上空に浮かせてこれを消した。ムンがさすが、と笑みを浮かべた。
「ブラッキー、シャドーボールだ!」
 ブラッキーがシャドーボールをクサイハナに飛ばした。しかしヘイガニが前に出てまもるをしてこれを防いでしまう。クサイハナはジャンプしてエネルギーを溜めてソーラービームを放った。
「キュン!」
「ブラ!」
 エーフィとブラッキーはダメージを受けて吹っ飛ばされてしまう。
「エーフィ、ブラッキー、ヘイガニを攻撃するんだ!」
 ヌーンの指示でエーフィとブラッキーはヘイガニに向かった。
「ヘイガニに集中攻撃するつもりか、甘いぜ!」
 ヤッチーノが指示を出すとヘイガニは両方のはさみを開いて違う色の粉を飛ばして来た。粉を浴びたエーフィは眠りについてしまい、ブラッキーは体がしびれてしまう。
「何?」
「まさか・・・!」
 ムンがハッとする。もしかしてヘイガニのはさみに何か仕掛けてあったのだろうか。
「その通りだ、煙で動けない間にヘイガニにクサイハナのねむりごなとしびれごなを仕込ませておいたのだ!」
「ヌーンさん!」
 ムンが心配になる。しかしヌーンは心配ないよと笑顔をして、息を吸いエーフィを呼びかけた。
「エーフィ!」
「フィ!」
 呼びかけに気付いてエーフィは目を覚ました。
「何、呼びかけで?!ヘイガニ、みずでっぽうだ!」
「ガニ!」
 ヘイガニはみずでっぽうを飛ばして来た。エーフィはでんこうせっかでかわしてサイケこうせんをクサイハナに放って攻撃した。
「クサ!!!」
 クサイハナはこうかばつぐんのダメージを受けて転がった。
「いいよエーフィ、このままやっちゃえ!」
 ムンが行けいけとジャンプする。しかしヤッチーノのヘイガニはみずでっぽうをクサイハナに飛ばして来た。するとクサイハナは頭の花弁を向けてみずでっぽうの水を吸収して体力を回復させた。
「どうだ、俺のヘイガニは抜群のサポーターよ!クサイハナを攻撃しようがこいつがいる限りまず倒すことは出来ないぜ!」
 勝ち誇った顔をするヤッチーノだがヌーンはどうかなと言わんばかりに意味深な笑みをしてブラッキーに指示を出した。
 ブラッキーはしびれた体を動かしてヘイガニに向かって行った。
「何だ、まともに動けてないじゃないか、そんな攻撃など・・・」
 対して強い技は出せないだろうと思っていたヤッチーノだが、
「ヘイーーーっ!!!」
 ブラッキーの一撃にヘイガニは大ダメージを受けた。
「何、まさか?!」
「そう、からげんきの技を出したのさ、状態異常の時に威力が上がる。ブラッキー!」
 ブラッキーはひみつのちからを使ってヘイガニを攻撃、ステージの効果でまひ状態にさせた。
「エーフィ、サイコキネシスだ!」
 エーフィはサイコキネシスをしてヘイガニを攻撃してこれを倒した。そしてまひなおしでブラッキーのまひを治してやった。元気になったブラッキーはシャドーボールを動揺しているクサイハナに飛ばしてクサイハナを倒したのだった。
「な、そんな・・・」
 二匹の手持ちを倒されてヤッチーノと仲間のスナッチ団達は慌てふためいた。
「くそ、覚えてろよ、ボスやあの方が黙っていないからな!」
 捨て台詞を吐いて一目散に逃げていくのだった。
「ふう・・・」
「ヌーンさん、やったね。やっぱりヌーンさんは強いよ!でも、あの人達の仲間だったんだね・・・」
 ムンの言葉にヌーンは気持ちが沈む気持ちになる。自分の本当の姿を知られてしまえば失望されてしまうかもしれない。隠しておきたかったことが悪いタイミングでバレてしまった。もう隠せないとヌーンは本当のことを明かした。
「幻滅、したよね。ごめん、僕は君が思っているほど綺麗な人間じゃないんだ。盗人の罪に汚れた犯罪者なんだ・・・」
 ヌーンは神妙な面持ちで聞いているムンに自分の過去を話した。
「僕は物心ついた時から一人で赤ん坊の頃、ある丘で捨てられていた所をスナッチ団に拾われて、彼等の元で団員として活動していたんだけど、彼等の非道な行為が嫌になって、この肩に付けているマシーンを悪用されないよう奪い、彼等の元を去った。そのせいで彼等は僕を目の敵にしている。君には知られたくなかったんだ。本当の自分を言えば、がっかりさせられるかもしれなくて・・・」
 クールな面持ちからは考えられないほどの悲しげな顔をする。目には涙が浮かんでいた。
 しかしムンは失望することなく優しく微笑んでいた。
「泣いちゃダメ・・・」
 手にしたハンカチでヌーンの涙を拭いてあげる。そして自分の本当の思いを伝えた。
「私、貴方のことをそんな風に思っていないよ。だって貴方は私を助けてくれたじゃない、怖い夢を見た時私を励ましてくれたじゃない、貴方はとても素敵で優しい人だよ。私にとって貴方は永遠の王子様だもん、たとえそれが汚れた犯罪者でも、この気持ちは変わらない・・・。私ね、貴方のこと、好き・・・」
 偽りのない、無垢な顔をする少女。今まで誰かに好きと言われたことないヌーンは微笑んで涙を流した。
「ありがとう、ムン・・・」
「ヌーンさん、貴方は私の王子様で騎士・・・」
「それなら、僕のエーフィとブラッキーは君を守る頼れるお供かな?君という純白のミニスカートに白く透き通った肌に可愛いおへそと綺麗な太ももが似合うお姫様を守る・・・」
「えへ、私の王子様はとっても素敵でカッコよくて勇気のある優しくて温かい人かな・・・」
 二人の視線は近付いていた。ヌーンはムンを優しく抱きしめて見つめると優しい口付けをする。暑い衝動に任せるがまま舌を絡め合い、濃厚なキスをする。口を放すと二人の間を水色の糸が垂れていた。
「ごめん、無理やりだった?」
「ううん、ヌーンさんが私を愛してくれたんだもの、嬉しい・・・」
 そんあいい雰囲気の所へ、
「おい、何かあった?!」
「大変よ、市長さんの家に怪しい奴らが入っていったわ!」
 広場から街の人たちが市長の家が大変なことになっていると騒いでいた。
「ヌーンさん、何かあったみたい!」
「ああ、そのようだね。行こう、ムン!」
 ムンはしっかりと頷いてヌーンと一緒に走り出した・・・。

続く・・・。

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