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8月2日。【赤葦×菅原】
作者: 大和 撫  (総ページ数: 17ページ)
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10~

*6*

人にはよく常識人だと言われていた。
自分でもそういようと努めていた
だから、あの日から無意識に菅原さんを目で追いかけている自分はおかしいのだと思っ
た。菅原さんとは同じポジションであったこともあって、すぐにまた打ち解けたし、セッターならではの話も出来て楽しかった。この人の横にいたい。それが恋だと自覚するまではそこそこに菅原さんとの関係は順調だったのだ。恋と自覚してからはこの気持ちをすぐに無くそうとした。同性への恋なんて無理に決まっている。 それに、これは恋なんかじゃない。きっと、尊敬心だったんだ。少し優しくされただけで好きになる訳がない。
...そう思うしかその時には方法が無かった。
本当に分からない。これが恋なのかも、
誰かを好きになったことがない俺にはわからなかった。どうすればいいのかわからない
(ただ横にいたいだけじゃ、ダメなのか)
もう訳が分からない。だから忘れよう
あの日の事は忘れない。でも、この気持ちは
全部無かったことにしよう。切り捨てよう。あの人は、ただの先輩だ。その日からだんだん菅原さんと話す事が少なくなって、いつしか疎遠になっていた。これでいいんだ。さようなら。

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