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*10*
体の震えや脈動がようやく収まり、ぺたんと座り込んだ私の前に、アリシアが近寄って、楽しそうに言った。
「よーし、これで体は完全に魔法少女になったな。お疲れさん。何かで自分を見てみな、かなり可愛くなってるぜ?」
言われるがままに、近くの家の窓ガラスに自分を映してみる。そこに映っていたのは・・・、
「え・・・こ、これが私なの?」
明るいエメラルドグリーンの色に染まった、セミロングの髪。細く白い、しなやかな手足。制服の上からでも分かる、膨らんだ柔らかな胸。澄んだエメラルドグリーン色の瞳。
私は完全に、可愛らしい、小柄な女の子へと変化していた。元の面影を残しているのは、丸みを帯びたシルエットには合わない男子用の制服のみ。
「ほ・・・本当に女の子になっちゃったよぅ・・・」
口から、鈴を転がしたような、女の子の声が漏れでた。すると、横から勢いよくスノッドグラスが抱きついてきて、嬉しそうに言った。
「やりました~!これで、勇気くんも私達の仲間ですね~!」
スノッドグラスの笑顔は、私を歓迎してくれていた。・・・えへへ、やっぱり嬉しいなぁ!女の子になるのも、そんなに悪くないかなぁ。でも、私には二つほど気になる事があった。
「えへへ、ありがとう!でも、今の私、この服じゃ変じゃないかなぁ。それに、今の私の名前って、勇気のままでいいのかなぁ?」
「服の事については、あたしに任せて!あたしはマーガレット、自分や相手の服を自由に変えられるよ!」
進み出てきた、オレンジの髪を癖っ毛のあるショートカットにし、魔法使いのような服を着た女の子・・・マーガレットが、元気良くそう言った。
・・・え、もしかして、服も変えちゃうの?
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