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(第三章 修学旅行1)
「はぁ~」
今日は待ちに待った修学旅行!
石奈小は日光に行くんだけど、今いろは坂を通ってます。
班のメンバーは、大ちゃん、夢ちゃん、私。
なんと1組の運営委員、皆同じ班!
しかし、3人とも車酔いしやすく、とてもぐったりしています~。
「ちょっとリーダー!あとどんぐらいでこのカーブ終わるの!?」
大ちゃん(←リーダー、応援団長だからという夢ちゃんの推薦でリーダーに)に聞くと、
「分かんない」
という答えが返ってきた。
「思ったより辛いわ~」
と夢ちゃん。
ぐったりしつつも、カーブをぬけ、いよいよ目的地の日光東照宮へ。
しかし、まだみんなぐったりしている。
「とりま、行こう」
と大ちゃん。
「うーん」
と女子二人で答えると、歩き出した。
しばらく歩いていると、大きな彫刻が見えてきた。
「穂乃香ちゃん、写真撮って!」
と夢ちゃん。
後で日光のことまとめるポスター作るから写真取っとかないと・・・
カシャ。
タブレットで撮った。
ぐったりしつつも、みんなで回ってあっという間にその日は終わった。
ホテルへ。
ここからは、女子3人の別班で行動。
「わぁ、すごーぃ!」
と波ちゃん。
「綺麗だね」
と夢ちゃん。
私たちみんな幽霊が出るおんぼろホテルを想像していたために、驚く。
「私たちのお部屋は702号室か・・」
フロントで鍵を借りて、エレベーターで上に向かう。
鍵を開けると、綺麗な二段ベッドが四つ。
私たちの班は3人だから、一つ余る。
ここで2泊するのかあ。
先生達の指示で、非常口などを確認し、荷物整理。
まだ初日だけど3人のボストンバックはお土産でいっぱいだ。
お土産の人形焼をわれないように収納して、使うものを上の方に出しておく。
そしたら時間がまだ夕食まで1時間ほどあったので、みんなでしりとり。
ガールズトークや怖い話は夜にしたいから。
順番は私→波ちゃん→夢ちゃん。
「しりとり」
「リンゴ」
「ゴリラ」
「ラッパ」
「パセリ」
「ん?ちょっと待って、これ典型的なパターンじゃん」
という夢ちゃんの指摘。
「あ」
「確かに」
と気づく。
「じゃあ他のにしようよ~」
と波ちゃん。
「お土産見せ合おうよ!」
と、私が言うと、
「ナイス!」
という2人の声がしたので、みんなでボストンバッグからお土産を取り出す。
「せーの!」
ジャン。
みんなが一斉にお土産を取り出すも、フリーズ。
「ちょっと待って、みんな人形焼?」
と私が言うと、
「ほんとだ」
「まじで?」
と波ちゃんと夢ちゃんが反応。
紹介するも何も皆同じだったので、次は男子の部屋訪問。
あと夕食まで30分。
しおりで見てみると男子の部屋は4階。
エレベーターを使うのが面倒くさいので階段を使って一個上の階へ向かう。
適当に部屋のドアを開ける。
「お邪魔します!」
みんなで声をかけると、
「はーい」
と大ちゃんの声がした。
ここは大ちゃんの班の部屋だったみたい。
みんな思い思いに過ごしている。
というか、なんで本持ってきてるの!?
本持ってきちゃダメなんじゃない!?
「・・・」
女子一同フリーズ。
「えっ、何か変?」
と大ちゃんの隣のベッドで本を読んでいる男子に言われる。
「本持ってきちゃダメなんだよ」
と夢ちゃんが言うと、
「先生にバレたら終わりじゃん!!」
とその男子が言った。
私も、大好きなドラマのノベライズ本とか持ってこれたら暇じゃないよ~。
なんか気まずい雰囲気になったので、
「失礼しました~」
と言って、部屋をでた。
やっと夕食。
みんなで食堂へ。
バイキング形式。
「豪華だね!」
と夢ちゃん。
「もっとしょぼいの想像してた~」
と波ちゃん。
「私も!」
と返事をしながらトレーをとり、好きな食べ物をお皿に取っていく。
私のお皿には、エビカツ2個、ハンバーグ一個、ポテトサラダ、フライドポテト、ナポリタン。
さらにご飯、麦茶、お味噌汁、マスカットゼリーと大量にのっている。
取りすぎちゃったかも・・・
しかし、あっという間に食べ、完食。
「美味しかったねー」
と言いながら、みんなで部屋に戻る。
そして、キャンドルファイヤー。
ろうそくを立てて、みんなでその周りで遊ぶ。
夕食が早かったので、キャンドルファイヤーの後に軽食といって、蒸しパンを渡されたのだがそれが私の好きな蒸しパンで美味しかった。
そしたらお風呂。
これもあっという間に終わり、自由時間。
ついに怖い話の時間!
テーマは自由で、本とかの内容でもOK!
順番はしりとりの時の順番。
まず、私。
「これはね、本で読んだ話なんだけど、ある高校生の男子がコンビニでテニスラケットを持った女子に出会うの。その女子と男子は仲良くなって、お兄ちゃんとかって呼び合う仲になったんだけど、その女子のお兄ちゃんは、とても意地悪だった上に、実は女子は火事で死んでて、ずっと理想のお兄ちゃんを探してたの。結局その男子は···言わなくてもわかるよね?」
「殺された」
二人の声が重なる。
「怖い~」
と夢ちゃん。
次は波ちゃん。
「これも本で読んだ話なんだけど、ドッペルゲンガーって知ってる?自分と同じ見た目の人なんだけど、その人に会うと不幸があるって言われてるの。ある女の子がドッペルゲンガーに出会ったんだけど、その女の子とドッペルゲンガーの子はお互いの生活を羨ましく思ってた。だから、3日間だけ入れ替わったの。でもその女の子は裕福な家庭での生活が楽しくて、元に戻ろうとしなかった。結局、お父さんは会社を経営していたけれど会社が倒産してしまったからその女の子も殺されちゃった」
「怖いじゃん」
と夢ちゃん。
「波ちゃんの話怖いね」
と私も反応。
最後に夢ちゃん、のはずだったが、夢ちゃんが今までの話を聞いてギブアップ。
恋バナは翌日に持ち越し。
寝た。
翌日も忙しくて、結局すぐ寝ちゃって恋バナどころじゃなかった。
あっという間に3日めになり、帰ることになった。
日光から石奈小のある横浜へ。
みんなぐったりしながら帰った。
楽しかったな、修学旅行。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方、穂乃香たちが修学旅行に行っている間、5年の運営委員たちは何やらコソコソと計画をねっていた。
その計画とは・・・!?
(修学旅行2に続く)