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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 25ページ)
関連タグ: メイドウィン小説SEASON3 ウマ娘 たぬき要素有り オリキャラ
*3*
……
たくっちスノーはシンボリルドルフに案内されながら、久しぶりのトレセン学園の中を歩く。
「……シンギュラー?なんかの装置の名前?」
「いや、理事長が考案した新たなプロジェクトらしい、まだ生徒会にも話は行き渡ってないから私もまだ詳細は分からないが……」
「ウマ娘もトレーナーも、それも深く結ばれている物が必要ということだけは分かっている」
『プロジェクト・シンギュラー』…それは、ウマ娘とトレーナーの深い絆による奇跡を起こすというもの。
今まで、ウマ娘とトレーナーの間には深い信頼関係が必要だった。
だが、このプロジェクトではその垣根を超え、ウマ娘とトレーナーの間に強い繋がりを持たせることで、ウマ娘の可能性を引き出すものである……理事長はそう言ったらしい。
「その言い方だと……俺の事そういう風に思ってたんだなー、ちょっと嬉しいかも」
「そういうことじゃない」
「ちょっと……」
「トレーナー君、聞くが君はこのトレセン学園のトレーナーをどこまで把握している?」
「えーーと、まず……サイレンススズカとハルウララのトレーナーはそれぞれ俺の知り合いです、ライスシャワーのは兄貴で、タキオンのは……思い出したくない」
「君の言うそれらは皆、過去に君が居た時に開催された『エグゼ杯』の時の面々だ……」
「しかし指で数えられるそれらはこの学園のほんの一割に過ぎない」
「……ッ!」
たくっちスノーは驚愕する。
ルドルフの言っていることが真実ならば、自分はとんでもない勘違いをしていたことになるからだ。
トレセン学園には様々な才能を持ったウマ娘とトレーナーがいる。
しかし、その殆どをたくっちスノーは知らない。
この新プロジェクトは『ウマ娘』も『そのトレーナー』も殆ど把握しなければ成り立たない。
「つまりルドルフさん、俺が帰ってきてよかったというのは……」
「温故知新、君は改めてこのトレセン学園で……」
「生徒会ウマ娘の、私のトレーナー君として、それらを記憶に留めなくてはならない。」