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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 80ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 メイドウィン逃走中 オリジナルゲーム 氷鬼 時空監理局編
*27*
73:42
「これでいいのか、桜井彩月」
「うん、マークしておけば何が起きても対応出来る」
逃走者の中では上位に並ぶほどの天才ハッカーの彩月とその付き添いのexeは草薙のものとは別のハッキングPCの近くで待機していた
「しかし、何故俺だ?たくっちスノーでもいいだろう」
「殺気に敏感な人がいてくれると有難いの、私は鈍感だから」
「そうか、それなら承った」
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【凍結】【凍結】【凍結】【凍結】
『制限時間システムが停止しました』
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………システムの異常、古いシステム特有の不良。
これを逆手に取ったのが今回のゲーム、凍結中………
73:25
カウントダウンが停止し、ハッキングPCにコマンドが送られ………トレザード社による復帰が開始される
「ここからが本番か………さて彩月、直すか?」
「それに関してだけど………少し考えさせて」
「どうした?」
「タブレットで見れるシステム欄をよく見て」
exeは言われるがままタブレットを操作する、タブレットの方でも制限時間が止まっている………しかし、それとは別で妙なものがあった
「これは………」
「うん、これ『制限時間』は止まっているけど『それ以外』は問題なく機能している………つまり、『時は進まないけど賞金は増え続ける』の」
「もしかしたら指定金額を超えるかもしれない………もちろん、そんなことない事もあると思うけど」
「だが自首という手もある………面倒なミッションをくぐり抜ける前に賞金を手に入れるチャンスがある」
「でも良いことばかりじゃない、さっきも言ったけど『制限時間以外の全ては正常』つまりハンターが動いている」
「確保ではないにしろ、奴らに捕まってしまえば元も子もないか」
「で、どうする?お互いハッカーだけど」
「お前はどうしたい?」
exeに聞かれた彩月はPCのあるケースに入り、キーボードに触れる
「私、駆け引きは嫌いなの」
「さすが、あいつの世界の住民だ」
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「デーリッチが王様になったのは、生活を安定させるためでち」
「そうなの?」
「別世界から送られ置き去りにされた存在………『ハグレ』は昔は差別的な意味を持っていたんでち、だからデーリッチはハグレでも楽しく過ごせるようにと、王国を」
「へぇ………すっごいな」
「デーリッチの居た世界を超えて分かったことは……時空にはハグレがまだ沢山いる、王国の手の届かない所にはまだ虐げられている者がいる」
「デーリッチは、ハグレの味方でち」