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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 13ページ)
関連タグ: メイドウィン逃走中SEASON3 オリジナルゲーム カメラを止めるな 出演中 MM○○中
*6*
チラミの言葉と共に共演中が始まり、ドラマの撮影が始まる。
たくっちスノーが『ずっと決めていた』というこの話の役は……科学者。
怪獣物で偶然にも怪物を生み出してしまう、言わば全ての元凶役、怪獣物の次に大事な存在だ。
(科学者役の出番は最初と最後だけ……さっさと俺の役終わらせておきたい!)
そう考えた彼は自分の持ち場であるビルの屋上へと駆け足で向かう。
しかし、その道中、突然空に巨大な影が現れた。
それは彼が生み出した怪獣…今回の主役パルスザガだった。
……既に異常が発生している。
「いやちょっと待てよ!台本だと科学者がトカゲに数万ボルトの電気を浴びせた結果異常進化して怪獣になるんだろ!」
「まだ俺何もしていな……」
困惑している中でもパルスザガはお構い無しに叫び、周囲のビルを破壊。
その衝撃によってたくっちスノーは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
そして、その隙を逃さず、パルスザガはたくっちスノーを掴むようにして拘束した。
「えぇ……もう初っ端から話がめちゃくちゃだよ……」
たくっちスノー達は甘かった、これはドラマでは無い、デザイアグランプリとクロノス社の共同で作られたゲームだ。
ただぶっつけ本番で演技するものを用意してくるはずがない
……『台本』は罠だった。
そして別のところでも。
「……これどうするの?今更アドリブとか無理ですよ?」
「台本見た感じボクら一般人はやることは変わりませんよ」
「………本当にやるんですか、アレ」
「ゲームマスターも言ってたでしょう、一度役を演じるからには貫き通せと」
リカルド、アサル……そして先程から喋らないライチ達一般人役も迫り来る出番に向けて準備を始めていた。
「り、臨時ニュースをお伝えします!今日TKO街に謎の……謎の巨大生物が!」
フィーネ演じるアナウンサーのニュースの声が聞こえたら一般人役が動く合図だ。
怪獣作品の一般人役と聞くと、暴れる怪獣をバックに逃げ惑うシーンが印象深いかもしれない。
だが、このゲームにおいては……
「ほら、このマスク付けてください」
「くっ……数秒でコレはキツいな」
「貴方それでも企業スパイなんですか」
パルスザガの背中の棘が青く光り、口から電撃を帯びた光線が発射される、その光は斬るように建物を通過し、瞬く間に瓦礫と化す。
「わ、私はただの派遣社員ですって!あぁああ!!」
一般人役のアサルとリカルドが走って逃げる、それを追うようにパルスザガが追いかけ、地面を揺らしながら迫ってくる。
「いいですか、失敗したらボク達揃って終わりですよ」
「終わりって命の危機って意味じゃ……」
と、その瞬間2人の真上に瓦礫が……
カメラの前では遠近法で真上に瓦礫が落ちるように見せて背後に回り回避する。
その隙にアサル達は顔のマスクを変える。
そう…一般人役とは、マスクを何枚も使い、怪獣が暴れて倒される市民を何十にも使い回す物だったのだ。
「通勤中に怪獣に襲われる役は終わりました、次は仕事中に襲われる役です、ビルに急ぎますよ」
「これ下手したら僕らが1番忙しいなぁ!?」
「文句言わないでください、お互い面倒で適当に選んだ」
「それはそうなんだけどさ……」
2人は急いでビルの中へと入る。
ライチは……別の所に。