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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 13ページ)
関連タグ: メイドウィン逃走中SEASON3 オリジナルゲーム カメラを止めるな 出演中 MM○○中
*8*
(どうしよう……俺も何か喋らないと……)
大地は焦った。
自分が何もしないのは流石にまずいと思い、必死に言葉を探していると、英寿が口を開いた。
しかし、英語なので大地には彼が何を言っているのか聞こえない。
英寿はベルトを腰に巻くと、ポケットから取り出したバックルを装着する。
「勿論アクション用の特別品だ、実際に怪物と戦うわけじゃない」
「お前も巨大戦に向けてこれを準備しておいた方がいいぞ」
そう言って英寿が用意したのは……
「えっ、これって……」
………
一方、パルスザガの手のひら部分。
たくっちスノーは未だに押さえつけられていた。
「こ…これいつになったら離れられるんだ!」
「確かに科学者ってたまにこんな風になることあるけど……どうすりゃいいんだよコレ!」
たくっちスノーは身動きが取れないまま。
他のスタッフ達も同じく動けずに困っていた。
その時、空から声が響いた。
その声の主は……
ギーツだった。
変身した英寿こと仮面ライダーギーツは空を飛びながらパルスザガに近付く。
その後ろから大地も来る。
「さて、これ以上街を破壊させる訳にはいかないのでな」
「怪獣、覚悟しろ!」
「あれは仮面ライダーギーツ……大地まで!そうか、もうヒーロー登場の時間」
「いやなんかデカくね?…まあ怪獣に合わせてなんだけど……いやなんか表面がゴワゴワして」
「風船だアレ……」
さっき英寿が用意していたのは風船とポンプだった。
流石に巨大化は出来ないのでコレにマイクを取り付けて膨らませて作ったのだ。
ちなみにこのバルーンアートのアイディアを出したのは英寿。
だがそんなものでは……
「倒せるかーー!!そんなんで怪獣がーー!!」
『分かってる、だから隙を見計らって見えないところから狙撃する』
「いやいらねぇよ!時間分かってるのか!」
たくっちスノーの言う通り、空から自衛隊の戦闘機が向かってくる。
台本には番組が半分辺りになると自衛隊達による怪獣への攻撃と書いてあった。怪獣を退治するのはヒーローの役目だ。
ヒーローが怪獣を追い詰め、そして倒す。
しかし、それではパルスザガが目立たずヒーローが強すぎるという事で……
ヒーローは怪獣を倒すのではなく、怪獣の攻撃をかわす事に徹する。
ちなみに、一般人役はここからはモブ軍人となってパルスザガに攻撃してはやられる役になる。
「これ……一般人じゃないと思うけど」
「※マネモブというものですね、名前さえ無ければ創作においてはなんでも一般人です」
※マネモブとはマネキンのようなモブ、つまり何の個性も無いいくら居てもいい奴らの事である。
「ていうかここからどうすればいいんだ……いくら僕でも戦車なんて乗ったこともないぞ」
「まあなんでもいいですけど、ここ出るの難しいのでタイミングくらいは見計らってくださいよ」
「えっ、まさかそれって」
「ほら来た」
戦闘機はパルスザガの周りを飛び回る。
するとパルスザガはそれに反応して手を振り回し始める。
振り回すと言っても、その大きさからすれば軽く腕を振るだけでも相当な衝撃がある。
戦闘機は次々と落とされていく。
戦車も次々と踏み潰されていく、怪獣物の軍隊が役に立たないのはいつもの事だ。