完結小説図書館
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*12*
「待っててね、海和」
SNSアプリを開く。
名称が変わって慣れないけど、1番便利なので使う事にした。
星の数程あるアカウントの数々。
その中の、ちょっと有名な人にメッセージを送る。
「海和、私は結構…重いよ」
ニヤっと口角を上げた私、今までと違う可愛い私。
『海和、実は私と交際してるんです。
私はずっと海和のファンで、ずっと海和の彼女でした。
でも、それだけでも駄目なのに、私以外の女とラ〇ホテルに行ってたみたいなんですよね。
証拠としてGPSのスクショと、相手女性とのメッセージのスクショを載せときます』
これは、私が暴露系のSNSアカウントに送ったメッセージ。
私は被害者だから、海和にもどん底に堕ちる感覚を味わってもらう。
悲しみを感じるのが私だけなんて、私が可哀想じゃない?
海和の罪の重さを、たぁんと味わってもらおう。
海和だけが悪い訳じゃないし、同罪の栞凪にも仕返しだね。
ずっと嫌いだった栞凪に、こんなにも素敵な体験をさせるなんて。
ピコン
〔海和、一般女性と交際・浮気、クズアイドルの真相〕
「本当、よく言うなぁ」
海和に批判が殺到し、現在進行形で炎上中だ。
ネットの意見に目を通すのは楽しくて、絶望した海和の顔を想像しただけで気持ち良い。
栞凪との連絡も途絶えて、私の理想とする人間関係を完成させた。
あんなに推して推して推しまくっていた海和がこんなにも地獄を見ているなんて。
今はもう冷めた海和への愛。
今さら体の関係を持とうとか馬鹿みたい。海和、私の事全然知らないのね。
ワンタップで完全に関係をブロックできて良かった。
今も、海和は栞凪とホテルにいるかもしれない。
でももう私には海和への愛も栞凪への嫉妬も何も無いから気にしない。
今まで貢いだ額は数えきれないけれど、これからは自分のお金は自分の為に使おう。
1人で生きられる人間になろう。
そう考えた私は、平凡な社会人として生きることを誓った。
終わり
第3章「夜に染まれ」end
第4章「哀の戯れ」 順次更新
< 第4章について>
第4章ですが、大人表現はありませんが、
不快すぎる表現(人を拒絶、外見を馬鹿にする)が含まれるかもしれません。
ご注意ください。
では、また4章1話で。