完結小説図書館
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*15*
とりあえずみんなと連絡を取ったので、次はお姉ちゃん方に様子を聞こう。
『暇?』
『10分後から大事な会議があって』
なるほど、お客さんが入ったのねぇ。
『ごめん、ちょっとゲームに集中したい』
お、出掛ける計画を立て始めたのかな。
『結花、ごめんちょっと寄り道するから部屋行けない』
路上ライブやるんだ。おっけ、理解したよ。
『じゃあまた』
現状、お姉ちゃん達が何をしているかが分かればそれで良い。
それぞれに今何をしているか伝える。
あと、えーと…そうだ!
愛子と栞凪にそれっぽい服を買ってやるか。
愛子には男性受けの良いピンクっぽいワンピースを買おう。
あいつが運営に推してもらうなら、あのデカ胸を強張してもらわないとな。
栞凪は地雷系で良いか。本人も持ってるみたいだし。
いつの間にか熱くなった液晶を冷ますために氷をあてる。
一旦やめないのかって?忘れたの?私ネット依存なんだけど。
病み垢に呟く姉への嫉妬、ブスやデブヘの怒り。
幸せそうな奴らを見ては酷く嫉妬し、このアカウントに吐き出してきた。
今見るとかなり理不尽だったり自己中だったりで笑える内容ばかりだ。
『お姉ちゃん嫌い。何で私ばっかり___!』
『お姉ちゃんって妹ばっか見下してる。いじりのつもりならマジで無理』
『承認欲求が溢れてキモい。誰か私、愛して』
『哀情を、下さい』
思い返せばこの時は怒り狂ってたな。
馬鹿馬鹿しいと思っても、お姉ちゃんの事はずっと嫌いだし、まぁいいかとも思っている。
時は経ち、ついに瑠璃歌が外に出るのをGPSで確認した。
なのでクソニート男に連絡し、瑠璃歌お姉ちゃんの行く先を報告する。
ここからが私達の出番だ。
『愛子、麗奈と運営にも胸強張して。もうお店から推されてるでしょ』
『うん♡麗奈しゃまぁ、どんな顔ぉするのかなぁ~?』
『栞凪、もう海和誘っても大丈夫。結構靡いてると思うし』
『りょ!海和とかんな合うかな~?楽しみ!』
よし、順調だ。
まず瑠璃歌の心の中の死神を、ニート男が呼び覚ましてくれればそれで良い。
次は麗奈、愛子が頑張って働いて休みを作り、自殺する暇を与える。
最後が百合菜。毎日のスマホチェックで、栞凪と海和がホテルにいるのに気付かせる。
「良いね、良いんじゃない。あは、楽しみだな」
ふと、スマホを確認する。
〖港区高級マンション女性死亡、連続殺人との関連は〗
私はただただ、素直に喜んだ。
次回、最終話