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いつだって私達は。
作者: のゆり  (総ページ数: 17ページ)
関連タグ: 熱愛 依存 サイコパス 風俗 復讐 自惚れ 嫉妬 
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10~

*5*


 同居している百合菜は今、仕事中なので居ない。
 でも連絡するのも面倒なので、黙って出掛ける事にした。
 ずっと着てなかった去年の誕プレのワンピースを身にまとうと、百合菜のメイク道具を借りて無理矢理色を押しつける。
 「似合わないなぁ」
 私は夏だけど百合菜は春だっけ、と昔の会話を内容だけ思い出す。
 立ち上がって玄関まで歩み寄る。自分の靴なんて10年位前の靴だから勿論残って無い。
 なので百合菜の靴を借りて外に飛び出す。

 「わぁ」
 久しぶりに見た街の風景に、胸が踊る。何もかもが新鮮で、大きくて広い。
 エレベーターで下に降りて、近くのデパートまで行く事にした。
 人の声が聞こえると思って無音という音楽をイヤホンに再生させて移動した。
 人を見ないでスマホの地図アプリだけを見つめて、長い長いデパートへの旅が終わった。

 1階は化粧品売り場。
 アイシャドウがたくさん並んでる所が空いていたから見てみる。
 麗奈の目って確か青くてめちゃ綺麗なんだよな…。
 青系の色がたくさん入ってるのを手に取る。
 「レジって、人がいるんだっけ」
 今更思い出す。わたくし瑠璃歌、もうピンチです。
 覚悟して上を向くと、〔セルフレジは→〕と書いた看板を見つけた。
 セルフレジがあるのか、良かった。
 私はセルフレジヘ向かい、無事に麗奈へのプレゼントを買う事ができた。

 次にエレベーターに乗って地下の食べ物売り場に来た。
 匂いでスイーツのお店を探す。
 野生的だって?何でも良いじゃないか。
 すると、はちみつの甘~い匂いが鼻に入った。
 顔を上げると、はちみつレモンケーキというケーキが2、3個ホールケーキのまま売っていた。
 めちゃくちゃ美味しそうだけど、マカロンを買いに来たのでスルー。
 何歩か進むと、色とりどりのマカロンが陳列されているケースを見つけた。
 私はその中の、抹茶と苺とチョコの3種類を買う事にした。
 スマホのメモを開いてお店の人に読ませ、ちゃんと買う事ができた。

 次は5階の服売り場へ。
 無人で防犯カメラがあるお店に入って、ワンピースを選ぶ。
 結花は青と白か、その間の色が似合う筈。
 ちょっと裾が広い方が可愛いかなぁ、とぐるぐる思考を巡らせる。
 いろんな服を見て、1周して結花に1番似合いそうな青いふんわりしたワンピースを無人レジで買った。

 これでみんな分の買い物を終えた。
 よし、何も問題は無かったし、サイコキラーを克服できたって事で良いのかな。
 ニコニコで帰る私に、人がぶつかった感触がした。

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