完結小説図書館
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*7*
私は悪くない。
そうは思っていても、今日の事はちょっと後悔してる。
きっと、「デパートで連続殺人事件、何百人死亡」
というコンテンツを姉妹(きょうだい)が観て、私が買い物した事とつなげれば、割とすぐ気付いて、守ってくれる気がする。
だって、今までそうだったから。
でもそれでいつも心配されて、迷惑かけて、ちょっと怒られる。
サイコキラーだけが悪いだけじゃない、と。
まぁ確かに、今日も私が克服しようとか思って外に出なければ起きなかった事でもある。
どうせこうなる事は予測できていたのだから。
それでも諦められないのは、私の悪い癖なんだろう。
もう迷惑は、かけたくない。
気付いたら私は、カッターを手に持って自分に向けていた。
大きく刃を出して、腕に当ててから力を入れる。
ザシュ
痛みと共に訪れるのは快感で、自分の血がこんなに醜く美しいものだというのも初めて知った。
ザシュ ザシュ ザシュ
段々と血の面積が広くなり、入れる力も強くなっていく。
次第に腕だけでは足りなくなって、足や顔にもその刃が向く。
足りない。血が足りない。自分の血で興奮する。もっと、もっと血が見たい。
グサッ グサッ グサッ ザシュ ザシュ
「切りすぎたかなぁ…。まぁいっか!私、もう死んじゃうんでしょ?」
口から血を吐いて、その場にしゃがみ込む。
視界がモノクロになって、声が出ず、目を開けるのが難しい。
「死ぬ…時…てさぁ、ッ、泣い…た方がっ、いいの…?」
私が殺した人達は、よく泣いていた。
だから、私も泣いた方が、リアルに死んだっぽい。
無理矢理涙を流して、ゆっくり目を閉じる。
___さようなら、世界。
〖港区高級マンション女性死亡、連続殺人との関連は〗
本当、的外れな警察だなぁ。
彼女は、きっとそんな事を考えただろう。
打たれ弱くて、ちょっとサイコパスな彼女。
事件の後、同居の妹に抱きしめられたのは黙っておこう。
第2章「死神の呼び声」end
第3章「夜に染まれ」順次更新
<作者から>
第2章、完結しましたね!更新の無い日が多かったですけど。
サイコキラー、ちょっと難しかったですね…。
次の第3章ですが、第1章同様、ちょっと大人なお話になっています。
苦手な方は回れ右。
それでは、また第3章1話で会いましょう~!