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無力くんの鬼な毎日
日時: 2010/08/09 10:23
名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)

こんにちは★

クリックありがとうございマス♪
この物語は現実世界と異世界を掛け合わせた物語です。
表現に乏しいと思いますが、優しく見守ってください♪
ぜひ読んでみてください☆

コメントよろしくお願いします!!

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Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.7 )
日時: 2010/08/03 10:00
名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)

☆1−東☆
 
 
 頭の中がモヤモヤする。
 俺は男なのに・・・。木ノ宮に守ってもらうなんて。・・・最悪だ。自分の弱さを改めて知った。

 教室を出た俺が向かっている先は屋上。道が分からないはずなのに、足がどんどん進んでいく。何かに引き付けられているようだ。 
 俺のいた教室は二年菫(すみれ)組。幼稚園のクラスの名前にありそうなその教室を出て、だいぶたったと思う。
 上履きの音をなるべく立てないようにしながら廊下を歩く。これが意外と難しい。足がつりそうだ。と、そのとき、
 キュッキュッキュッ
 上履きの音。誰かが廊下を歩いている。誰だ?生徒か先生か。どっちだ?
 ゆっくり振り向いてみる。いた。アイツは生徒だ。まだ俺の存在に気づいていないようだ。俺は足音を立てないように、そぉっとその場を離れる。焦るな、慎重に・・・
 ガタンッ
「!?」
 後ろ向きで歩いていたせいか、掃除用具入れに背中をぶつけた。痛いし、アイツに気づかれた。よく見るとスカートをはいている。黒くて長い髪が遠くにいてもよく見える。顔が見えない。
 そんなことはどうでもいいんだ。俺は、この場から逃げなければならない。さっさとしなければ。
 俺はダッシュで階段まで走った。あれを上れば屋上に出る。この際音なんて関係ない。ところが。
 キュキュキュキュキュキュ
 俺も上履きの音とは別の音が聞こえてきた。ちょっと待て、まさかとは思うけど・・・。
 おそるおそる振り向くとそこには、髪を振り乱して追いかけてくる口裂け女が・・・・・・いなかった。気のせいだったか?気を取り直して前を向くと、息を切らした女の顔が目の前にあった。
「うわぁぁぁっ。」
 あわてて口を押さえた。どこかの教室の扉が開いた音がした。女が顔を上げる。どこかで見たことある顔・・・。
「いっ・・・けどっくん・・・。」
 この声は・・・
「橘?」
「今っ気づいたの?」
「だって・・・。」
 髪が乱れた口裂け女を想像してたから、とは死んでも言えない。橘は呼吸を整えると声を潜めて言った。
「教室に戻ろうよ。もう大丈夫だよ。」
 俺は首を横に振る。
「戻らないよ。何かさ・・・いや、なんでもないや。先に戻っててよ。」
「そう・・・。わかった。先生には何て言っとく?〇〇?××?◇◇?仮病?」
 橘は見た目に合わない放送禁止(お下品)用語を三つも並べた。何ていうヤツだ。
「見た目はカンケーないでしょっ!!」
「スイマセン。」
 ってか、心読めんのかよ!!



              ♪続♪

Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.8 )
日時: 2010/08/03 10:03
名前: まっしー (ID: dzyZ6unJ)

ちゃっぴーさん!!
ここにいたんですねッ!!(意味不明。

ずっと探し続けた小説が…見つかりましたッ!!(え

更新、読みましたぁ〜!!
とってもおもしろかったです★
これからも楽しみにしてますねwww

Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.9 )
日時: 2010/08/03 10:09
名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)

♪まっしーさん♪
 
うわぁぁ☆来てくれたんですね♪♪(感激ww
とても嬉しいです☆ありがとうございます♪
 
はい!!たくさん更新できるように頑張ります!!

Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.10 )
日時: 2010/08/03 10:49
名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)

☆1−東 続☆
 とりあえず俺は××という手段を使ってみた。仮病はさすがになぁ・・・。
 階段を上り、屋上への扉を開ける。青空ではなくて、見事に分厚い雲の層が視界いっぱいに広がった。そういえば今日の天気は晴れのち曇りだっけ。
 やけに目立つ赤色のフェンスによりかかる。気分はスッキリしないけど、教室にいるよりましだと思う。
 ふと、屋上に設置された貯水タンクの裏から、金色のモサモサ(?)が見えた。気になってのぞいてみるとそこには、金髪で耳にピアスをつけた不良っぽい奴と、緑色のメイド服を着たポニーテールの女子生徒が向かい合って座っていた。
 この状況はいったい・・・。
「あ、そのー。失礼しまし」
「何?仮入部?」
 は!?何、これ、部活デスカ。驚きのあまり声が出ない。第一、まだ部活動の時間じゃないのでは?朝だし。
「えーと、アニ研?」
 やっとの思いで声を出した。そうだ、これは絶対アニメ研究部だ。この格好はきっとコスプレに違いない。なんだなんだ、安心安心。
「は?何言ってんの?」
 金髪不良が睨んできた。鋭い目つきだ。これは本気か?それとも役柄か?
「ここはアニ研ではないですよ。」
 メイド少女がクスリと笑った。かわいらしい。
「ってゆうか、お前誰?」
 俺は軽く自己紹介をした。転校生で、菫組だと教えると、金髪不良は少し驚いた。
「おぉ、あの荒井がいるクラス!!俺もあそこなんだよ。」
 得意げに指を鳴らす。
「言い忘れてた。俺、佐久間鳴海(さくま なるみ)。ナルって呼んで。」
「私は岡崎莉花子(おかざき りかこ)です。」
 どうやら岡崎さんは俺のいっこ下の学年らしい。二人で何やってるんだろうか。
「で、何?仮入部しに来たわけ?」
「ここ何部なの?」
「雑草部。」
 即答。そんな部あるのかよ。
「部長ー俺ぇー。副部長ー莉花子ぉー。部員ー募集中ぅー。予定では東ー。」
「えぇぇ!?そんな、勝手に決められちゃ困るよ。」
「池戸先輩はもう、部活お決まりですか?」
 岡崎さんがちょっと首をかしげた。周りにほんわかとしたオーラが・・・。ナルの目が垂れた。
「いや、まだだけど。」
「じゃぁ入部決定ぇ〜〜。」
 岡崎さんがパチパチと拍手する。勝手に決められた・・・。
「活動内容は、日々を楽しく過ごすことですから。初心者でも大丈夫ですよ。」
 そんな笑顔で言われても・・・。初心者とか、関係ないだろ。
「ってかさぁ、東ってサボりなの??」
「サボりって言うわけじゃ・・・。」
「じゃぁ、何悩んでんの?」
 ナルが鋭くついてくる。銀のピアスが強く光った。
「いや、その。」
「ナル先輩は、相談に乗るのがお上手なんですよ♪」
 メイド服のしわを伸ばしていた岡崎さんが満面の笑みで言った。
 それじゃあ話して見ようかな。
「実はさ・・・人を守れるくらい強くなりたいんだ。」
 ポカーン。ナルの表情は今まさにそんな感じだ。
「馬鹿にしてる?」
「いやいやっ。その理由っていうのは、何なの?」
「っていうのはさ・・・」
 俺は今日の出来事をなるべく詳しく話した。女子に守られたことが悔しかった。
 話している間、ナルはあぐらをかきながらも真剣に聞いてくれた。 
 やっとのことで話し終えると、ナルが一言、
「強くなりたいって言うのは、悩みじゃなくて願いだよね。」
「それを言われると痛いんだけど。」
「でもその女子を守りたいって言うのはさぁ・・・。
恋なんじゃない?」
 あいた口がふさがらない。
 何のアドバイスをくれるのかと思えば・・・。恋!?俺が!?木ノ宮に!?うむむむ・・・。
「もしかして・・・図星だった??」
 ナルがいたずらっぽくニヤリと笑った。
「では先輩、今回は恋のお手伝いですか?」
「おー。新入部員のためにタダでやってやろうか。」
「勝手に話進めんなよ!!」
 俺の存在をまるっきり無視して二人は作戦会議を始めた。強制終了させようかと思ったが、二人がとても楽しそうに話しているのを見たら、なんだか邪魔してはいけないような気がした。
 もういいや、好きにさせておこう。
 俺は屋上をあとにした。
 

Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.11 )
日時: 2010/08/04 10:18
名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)

★2−1★
 
「池戸くん、戻ってこーへんなぁ。」
 窓に映る、どんよりとした曇り空を見ながら小豆はつぶやいた。朝、東が教室を出て行ってから一時間。なかなか帰ってこない彼を心配していた小豆に、後ろから声がかかった。
「小豆ちゃん。」
「えっ、あ、紗彩か。何??」
 紗彩は小豆の顔をじーっと見ると、声を低くしてささやいた。
「ケータイのニュースにね、また載ってたよ。殺人事件。こんな天気の悪い日はまた何かありそうね。」
 小豆の表情が強張った。それを見た紗彩はクスクスと笑う。
「もしかして、小豆ちゃん池戸くんのこと好きなの?」
「♯♭★×Σ!?!?」
 言葉にならない叫び声をあげながら、小豆は勢いよく立ち上がった。ガタンッとイスが倒れ、生徒の注目を浴びる。
「・・・図星?」
「・・・。池戸くんには、黙っておいてほしいねんけど。」
 小豆は顔を真っ赤にして小さな声で言った。先ほどの元気のいい時とはだいぶ違う。
「分かった。誰にも言わない。約束するね。」
 紗彩がニコッと笑うと、自然と小豆も笑顔になった。教室の空気も和やかな感じがしなくもない。
「ボクは聞いちゃったんだけど?」
「!?」
 慌てて振り向くとそこには、菫組の少数派メガネ民族、黒森巧真(くろもり こうま)がお得意のきめポーズをがっちり決めて立っていた。
 眉目秀麗成績優秀スポーツ万能かなり金持ちなリアルぼっちゃまは、紗彩の目の前に立った。
「君は美しい。」
「はい?」
「ボクのファーストレディにならないかい?」
 
 ガラララッ

 教室の扉が勢いよく開いた。教室にいた全員の視線が扉に集まる。入ってきたのは東だった。教室を出て行ったときより明るく見えるのは気のせいだろうか、と小豆は考えた。東は教室に入るとまっすぐに小豆のもとへやって来た。
「さっきはごめん。」
 頭を下げて、謝った。
「別に、怒ってへんよ。謝る必要ないやろ。」
 東は困惑した表情を浮かべた。
「でも」
「そーれーよーり!!」
 突然紗彩が乱入してきた。彼女は少し頬を膨らませている。軽く怒っているようだ。
「小豆ちゃんを心配させるなんて何考えてるのよ。」
「え?」
「ちょっ、紗彩。何言うてん」
「私たち、てっきり池戸くんが赤うさぎにでもやられたのかと思ってたわ。」
「赤うさぎ?」
 東は不思議そうに首をかしげた。もしかして珍獣なのかな、と考えてみる。赤いうさぎ。生息地不明、好物不明、謎のうさぎ。毛が赤いのか?
「何それ。」
 言った瞬間、東は後悔した。なぜなら紗彩や小豆の表情が変わったからである。例えるならそう、まるではんにゃのような・・・。
「知らないの?」
 紗彩の、低くて重い声。責められている気分になる。
「赤うさぎっていうのはなぁ」
「その説明はボクが☆」
 小豆の言葉をさえぎったのは、眉目秀麗成績優秀スポーツ(以下略)の巧真だった。小豆と東の間に割り込むと、小豆に向かって微笑む。
「赤うさぎというのはね、今話題の連続殺人犯のことだよ。真っ赤なロングコートを着ているらしいよ。分かったかな?池戸くん。」
 巧真は何か裏があるような雰囲気を漂わせた。紗彩の方を振り向いて、そっと手を握る。
「橘さん、ボクは黒森巧真。君の未来の旦那になれるよう、努力するよ。」
 明らかに嫌そうな顔をする紗彩を無視する巧真は、東のほうをチラチラと見ては手を握る力を強くした。
「イタッ。」
 紗彩が小さな悲鳴をあげる。と、別の手が巧真の手を掴んだ。
「そこらへんにしといたら?」
 東が、軽くきれていた。巧真の行動が気に喰わないのだろう。
「ま、君がヤキモチを焼くのはしょうがないかなぁ、ね、木ノ宮さん。」
 小豆が、きゅっと拳を握った。  

             

               ♪続♪


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